アンティークの楽しみ
木片、ナツメ形のピースに細密な彫刻が施されております。大変興味深い表情をたたえた羅漢の頭像が18ピース、他に飾玉締玉が2ピース、全部で20ピースの揃いになっております。それぞれに紐通しの孔が通されており、元来は数珠のように繋げてつくられておりま…
大胆に鳩を描いたこの羽織。 あまり詳しくないのですが 「漆箔」 という技法でつくられているということで、一目惚れして入手。 実物に触れてみると、確かに生地に粒々と点描が施されており、ちょっと違うかもしれませんが 印伝 のような風合いになっていま…
金材が用いられた羅宇煙管、雁首には筆跡が彫られ K20 の刻印がございますが、本品の見せどころは吸口の方、巧みな彫金の技術で蜂図が施されております。 陰陽を巧みに組合わせた立体的な作風は金・銀・赤銅などを効果的に用いた 高肉象嵌 の彫金技術。 天下…
先日、以前から好きなトリの博物画を2点入手しました。 いずれも身近な野鳥などでは無く、ワールドクラスの鳥たちで一枚は ケツァール、そしてもう一枚が 孔雀。 こいつらといきなり遭遇したら、間違いなく腰を抜かすでしょう。 ケツァール クジャク 版画の…
水鳥たちに魅了され、冬の間は眺めに行ったり、写真を撮ったり。 アンティークに長く関わっていることもあり、Decoy を求めるようになったのはごく自然な流れであった様に思っています。 ただ、当初のとっつきの悪さは現在でも尾を引いています。 即ち、Deco…
ILLUSTRATIONS OF ORNITHOLOGY [ Anas Carolinensis ] 1835 いつだったか、どなたかが 「 NO LIFE NO BIRDS 」 と書いておられました。 私などもそのクチで、もう今更そのスローガンをおろすでもなく、好きな様に楽しみたいと思っています。 家では鳥たちと…
微笑とピースの神像。 神像には、仏像とはまた違う魅力を感じ、かねてより見歩いたりもしていたのですが。 民間信仰の影響を受けたものも多く、裾野の広いジャンルでもあります。 本像は 「キクリ姫」 として入手した経緯がございますが、詳しいことは未だに…
特異な肩付の成形、実用性の良さを伺える四耳壺 カッコつけて ”稀に” と云いたいところですが、むしろ ”頻繁” に素性の計り知れないものに出会います。 私にとって、この葉茶壷もその一つ。 忘れた頃に引っ張り出してきては眺め改め、未だにその由来に想いを…
アフリカの地、現在のタンザニアとモザンビーク国境近くの高原に暮らす民族が伝統的につくり続けてきた木彫、Makonde Cavings マコンデ。 今までアフリカン・アートと向き合う機会もなく来てしまいましたが、今回コレクション数点の出品を託され、幸せなこと…
須恵器をみるといつも思うのですが、なんともまあ、現代でもさぞかしつくるのが大変そうなものを、よくも量産したものです。 薄作りでシャープな器成形、古代が 「上手」 で、中世になると 「ぼってり」。 技術というものは、基本的には引継がれていくものの…
洋物のアンティークを扱っていると ”ストーンウェア” というジャンルにあたります。 炻器質 と分類される、要するに焼き物なのですが、アンティークマーケットで見かけるものは多くが 1800年代 の終わり頃から 1900年代初頭 に掛けて、工業的に利用された 「…
残欠、コワレモノを愛でるというセンスは日本人だけでなく、諸外国にもあるのでしょうか。 ”あまり例を見ない慣習である” と、知識人のように言い放ちたいところですが、表立って採り上げられるテーマでもなく、学術的な話は耳にしたことがありません。 残欠…
何となくおめでたいような、それでいて日本の食卓の原点を見るような、厳粛(大げさか?)な 気分になったりもするので、思い出した頃に引っ張り出して飾ってもみる、この二組の器。 片や根来塗の、そしてもう一方は古伊万里の四つ組椀。 漆器は使い込まれ、…
紋様の多様性、描かれた絵・絵付けの楽しさにおいて、おそらく古伊万里というのは骨董陶磁器の中でも抜きん出た存在と、いつも思っています。 精緻なものから、 『これでよいのか?』 と思うほど雑駁なもの、見ているだけで可笑しさがこみ上げてくるようなユ…