いつだったか、どなたかが 「 NO LIFE NO BIRDS 」 と書いておられました。
私などもそのクチで、もう今更そのスローガンをおろすでもなく、好きな様に楽しみたいと思っています。
家では鳥たちと時間を共にして、外では野鳥を見て楽しむ。
なぜこうも鳥類に魅せられるのか、以前に自考して書いたことがありました。
理由はいろいろ有るのですが、一つの魅力は生物としての造形の美しさや豊かな色彩など、その外見です。
その鳥たちの(実際には鳥だけでは無く万物が対象ですが)造形や色彩、個性豊かな美しさをできるだけ正確に写し残そうとした時代の成果物が 博物画 でした。
18世紀から19世紀にかけて、技術の進歩と共に多くの画譜がつくられましたが、その繊細な版画技術を凝らした線描や彩色には舌を巻きます。
どれほど人が技巧を凝らしても、現実の世界にイキイキと羽を伸ばす彼らの姿にかなうものではありませんが、そこにみられる情熱とアートの結実は、現代のグラフィックでは到底及ばない境地に思えてしかたありません。
こちらナポレオン時代のフランス、クニップ夫人 による画譜 「鳩図譜」 は評価の高い大作ですが、大判の 銅版画+手彩色 で製作されました。
初めて見た時は、精緻な図版にはもちろんのこと、このような大きなサイズを想像していなかった分だけ余計に驚かされたのを覚えております。
ぜひ額装して飾りたいと思っていたのですが、特殊サイズの額に迷い、また透明のアクリル板などの方がかえって雰囲気を損なわないかもと、さんざん迷った末に今もシートで保管しています。
それに比してこちら、ハチドリのシリーズはいずれも小さなサイズ。
1865年・WILLIAM JARDINE により発行されたものですが、ハチドリの魅力が充分に伝わる完成度の高い図版と、そして何よりも集める楽しさがあります。
不思議な容姿に進化した意匠羽根や色彩、小さな図版が独特の雰囲気を創り出してくれます。
これらの図版、元もとは製本として世に出されたモノたちですが、時代を経て現在 バラ の シート としても市場に出て参りますが、これがいけません。
蒐集癖をくすぐられ、また手の届く範囲の買い物でもあり、好きなものがあるとつい手を出してしまいます、ホントにいけません。