水辺の風景 2024年11月10日 カモ集まる

 

曇から雨の予報、休日の港エリアを散策。 明らかに増えてきた カモ たち。 海にも耕作地にも群が見られ、種類も揃ってきました。

まだ半端な羽衣が多く見られ、種の特定に戸惑うことがしばしば。 

 

 

冬羽の ホシハジロ も多くなりました。 手前はおそらく メジロ のメスかと思うのですが、全体の色分けなど オス に似ているものの、名前の由来となっている特異に光る眼の光彩はメスでは見られません。 ホシハジロに比べてひと回り小さな体。

 

オカヨシガモ

ホシハジロ

 

これまでこのエリアでは出会うことが無かったのですが、この日は チョウゲンボウ に遭遇。 この場所に居ついてくれると、楽しみがまた一つ増えるのですが。

 

 

旅鳥の シギ たちは姿を消しましたが、留鳥のシギたちは相変わらず目を楽しませてくれます。

 

ハマシギ

タシギ

もう居るだろうとは思って居ましたが、この日ようやく出会うことができました。 タゲリ が4羽、例年とは少し違う場所で遭遇。 とととと 、と進んでは立ち止まってあたりを見回す、チドリらしい行動パターン。 車にもさほど神経質では無いので、リラックスして観察できます。

 

 

■撮影地:熊本市

 

水辺の風景 2024年11月3日 タゲリ来る。

そろそろ出会ってもよい頃。 冬のフィールドを賑わしてくれる楽しい奴ら。 前年は近場の港エリアでよく出会いましたが今季前回までは遭遇しておらず、いっそのこと玉名方面の干拓地に様子を見に行こう! ということに。 

海岸沿いのドライブはこの上なく好い天気・・・鳥見はこうでなきゃ。 こんな日は目的地にたどり着くまでの観察ポイントでいちいち引っ掛かってしまうわけですが、まずは道中の海岸にて。 青い海を背景に、真っ白なカモメたちが波よけに集まっています。 よく見れば波間には小さいながら マガモ の群。

この場所はちょうど 熊本港 から 玉名干拓地 の間、見渡す有明海は鳥たちが頻繁に行き交う一大空路。 大小鳥の群が流れていく様子を横から観察していると、飽きることがありません。 

そんな風に空を見上げていて、単騎で飛行するカモらしき飛影をファインダーに捉えます。 かなり遠かったので解像度は上がらず不明瞭でしたが、あまり見ないシンプルな羽衣で、目のあたりに白いラインが少しだけ見られます。 誰だろうう?

ユリカモメ と ウミネコ かな?

単騎、謎の飛翔体。 よく見れば・・・

遠い空を飛んでいる一羽を偶然に撮影しただけ、この件は終わり・・・と、またしばらく カモメ や マガモ を見ていました。 しばらくして気付きます、静かな波間に休む マガモ の群の中、妙に小さいのが混じっている?

 

 

いつの間に飛来・着水したものか、オシドリ が一羽だけ来ていました。 先ほど上空を舞っていたのは オシドリ のメスだったようです。

今季は不思議と オシドリ にご縁があります。 行くところへ行けば見られる鳥ですが、観察ポイントはいつも遠くて暗く、辟易。 それが今季はいつも足を運ぶフィールドで出会う事が多くて喜んでいたのですが。 この日はそれこそ海ですし、ホントに偶然。

 

いつまでも眺めていたい誘惑を断ち切り、目的地へ向かいます。 ここからはシーズンを迎えたは干拓地の風景。

 

チドリ

ジョウビタキ

並モズ

ホシムクドリ

そしてこの日の目的、タゲリ・・・ やはり来ていました。 今季初タゲリ。 

広い干拓地の中、だいたい居るところは決まっているのですが、一発目はアプローチに失敗して散らしてしまいました、ゴメンね。

 

 

飛び立った群は広い干拓地の空を大きく旋回し、また同じあたりに舞い戻るのが通例ですが、私たちは別のポイントへ移動。 こちらにも居ました! 楽しいタゲリ時間の始まりです。

 

 

ここでも港でも、一年を通してよく出会いますが、この日は ミサゴ がひときわ目立ちました。 

 

 

収穫を終えた耕作地はカモたちのパラダイス。 カモの混群が出たり入ったり。 まさに冬季の干拓地を代表する景色です。

 

 

■撮影地:玉名市

 

水辺の風景 2024年10月27日 10月最後の週末

アカアシシギ

この日、早朝の港エリアは淡い霧に包まれていました。 それはそれで景色が撮れるかと思いましたが、そんなテクニックも無し。 難しいもんです、写真というのは。

 

霧の中の カイツブリ

鳥密度の濃さを肌で感じながら、たぶん初見となるシギが一羽、アカアシシギ。 おそらくきちんと見るのは初めて。 さかんに呼び鳴きしていましたが、見られたのは単騎。 その呼び鳴きをしているところを撮影していて、舌が見える絵がありましたがびっくり。 こんな構造ですか・・・

 

 

多く見られたのは コガモ。 オスはまだ エクリプス、ユニークな冬羽衣はまだ目につきません。 

 

 

コガモ に混じって ハシビロガモ が一羽。 ここでは冬季に多く見られる種です。

 

 

そして今季、頻繁に出会うのが オグロシギ。 3羽が羽を休めていました。

 

マガモコガモ

車を進めて、海を見渡しに行きます。 ちょうど干潟が表れて広がっていくところ。 鳥の数が増えてきましたが、まだまだこんなものではありません。

 

ジョウビタキ

クロツラヘラサギ

ハマシギ

改めて耕作地に戻ります。 今季いく度か出会っている セイタカシギ に出会います。 この日は4羽が見られました。 

 

水から上がるとわかる、この足の長さ

セイタカシギ に張り付いていた アオアシシギ

タカブシギ か・・・

車にどんどん近づいてくるのは ハクセキレイ

キリアイ

カイツブリのつくった浮巣で甲羅干し・・・

 

■撮影地:熊本市

 

水辺の風景 2024年10月20日 港周辺

 

玄関を出ると強い風、でも清々しい。 そそくさと港エリアへ車を走らせます。 ほんとに気持好い天気、こんな日は海がいい。 

その前に、順路通りにポイントを見て回ります。 澄んだ空気の中、アオアシシギ たちの声が風に乗って聞こえてきます。 白-灰色だった彼らの羽もずいぶんと薄茶色になってきました。

 

アオアシシギ

 

この時期、電線にとまる鳥も見逃せません。 珍しいということも無いのですが、この時は ハクセキレイカワラヒワ が一緒に休んでいました。 種の異なる鳥が一緒に居る風景は見ていて楽しいものです。 

 

カワラヒワハクセキレイ

 

クリーク対岸のブッシュに飛来した鳥・一羽。 確認すると、ヒタキ2号はどうやら ノビタキ の若鳥。 この時期、出会って然るべきヒタキです。 

 

ノビタキ

この日は セキレイ の密度が濃く、目の前には キセキレイ が2羽、戯れています。 目の覚めるようなイエロー、久しぶりです。

 

キセキレイ

防波堤から覗き見た海の様子。 撮影したのは カルガモ の群でしたが、ずいぶんと カモ が増えてきました。 見渡すと波間に浮かぶ小さな群を見つけることができますが、この日は カルガモ に混じって マガモコガモハシビロガモオカヨシガモ もわずかですが確認する事ができました。

こんな風の強い日は空がオモシロい。 本当はもっとのんびりと空を見上げる時間をとれば好いのですが、見る間にも ミサゴ や カモメ が風に乗って羽を動かさずに滑空する様子が見られました。  

 

 

 

少し元気が無い? 単騎でプカプカと浮遊していた オナガガモ

 

チドリ のアイリングがずいぶんとクッキリしてきました。 下の写真は一見して トウネン と異なる黄色い脚。 オジロトウネン かなと思います。 チビたちも大きな群では出会えませんでしたが、探せばけっこう来ている様子です。

 

 

まだ居るか、継続確認中の しまあじ でしたが、前回ポイントでそれと思って撮影したこの2羽はもしかして コガモ? とすれば、他所へ行ってしまったか・・・ 

 

■撮影地 : 熊本市 

水辺の風景 2024年10月13日 早朝の港エリア

 

できるだけ繫く通って観察したいと思っている港エリアの10月。 とはいっても必ず毎週末に訪れることが出来る訳も無く、前回から2週間あいてしまいました。 訪れたこの日の港エリアは鳥密度が高く、光も好く爽やかな陽気。 

 

SHIMAAJI in Green

まずは しまあじ の確認を・・・ 居ました、一羽だけ。 前回はアクシデントでじっくり撮影できませんでしたので、できるだけと張り付きます。 今季この場所で出会っているのはどうやらオスのエクリプスか。 できればぜひ見たい、オスの冬羽衣。

 

バン といっしょに

 

それにしても、カルガモ によく似てる、ミニカル といった感じの しまあじ。 カルガモ も移動はするようですが、留鳥ガモの代表格。 カルガモ の群は、好い。 来るものは拒まず、去る者は追わず・・・ というか、群のダイナミクスにいつも興味をそそられます。 渡り遅れたものが合流する ”拠りどころ” でもあるし、単騎の旅鳥や迷鳥も群に入れば安心です。 

 

ゴイサギ の成る来

若鳥ばかり

 

イソシギ

シギ

近くで撮影できたこのシギ。 いつものタカブシギかと思っていたのですが、それは違う様でした。 例によって識別は難しいのですが、候補として アメリカウズラシギ が上がっています。 この季節だけ見られる可能性のある 幼鳥 の旅鳥

 

タシギに長らく出会っていない・・・ と思っていたら、遭遇。 タシギが居るのは必ずと言っていいほど水面の中央部では無くヘリの辺り。 素晴らしい羽衣に感服。

 

コサギ の群が行く

堤防から海を見渡す

アオアシシギ

もちろん潮目によるのですが、海の方も賑やかになってきました。 集結しているのはオナガガモ、多くはありませんが ホシハジロ なども見られます。

 

 

電線にとまる小鳥を見つけて撮影。 ヒバリの電線写真はロケーションとしては意外と珍しいように感じるのですが、それで初めて気付いたものか、特筆すべきはその ツメ の長さ。 こんなに長かったっけ? 驚きすぎて、新種を疑いました。

 

◼️撮影地 : 熊本市

水辺の風景 2024年10月6日 海辺の水路にて

水面で戯れる2羽の アジサシ

 

東与賀の干潟を後にし、せっかくの遠出機会ですので佐賀の干拓地、とくに蓮田などを見て回ることにします。 

ほぼ ”行き当たりばったり” でしたが、そこは同じ有明海の海辺。 熊本も似たようなものですのでカンも働きますし、気楽な探鳥です。 海辺に堤防があって、その内側に水路が巡らされ、耕作地が整備されています。

行き当たりばったり、とは言いながら目当ての鳥はあったのですが、この日は出会うことがありませんでした。 ただ 大水路 まで車を進めた時、水路の上空を舞うように飛翔する白い飛影を見つけます。 蝶々にも似たフワフワとした独特な飛び方は アジサシ。 嬉しい出会いに方針を変更し、むやみに動かずに撮影機会を待つことに。

 


旅鳥の アジサシ には以前、やはり 10月 に地元の港エリアで遭遇した経験があります。 ほぼ同じシチュエーション、場所が違うだけですが、眺めているとどうやら2羽がこのフィールドに来ていることに気付きます。 ただ・・・若鳥と成鳥なのか、少し羽衣が異なる様で・・・ またリファレンスが大変だ。 

2羽が戯れるように水面の上を舞う姿、もっと撮りたかった・・・ が成らず。 遠すぎて結ばず、残念でした。 

遠いのは致し方ありませんが、正直なところ 「アジサシ が撮れなくて、何が撮れる?」 と思うくらい、彼らの飛翔は撮影しやすいものです。 私たち二人とも機材は更新されており、カメラの AF に頼りっ放しの撮影が近ごろのスタイルとなりつつあります。 空を背景に飛翔しているところは AF が捉えるのですが、背景が重なると噛みついていたフォーカスが即時離れます。 FUJI も SONY もこんなもんか、という結論に達していますが、それならココ一番でどうする? というのが目下の課題。 いくらでも有り得るシチュエーションです。

 

写真・上は背に褐色の模様が見える個体。 嘴は太目で黒色、眦に太い黒帯、頭部は斑で灰色に見えます。 この写真では確認できませんが、脚は少し橙味を帯びています。

 

こちらの個体は全体に白灰で褐色は出ていません。 嘴は同じ、眦の黒帯はもう一羽に比べると細く弱く、脚は黒く見えます。

 

 

気を取り直して、初めて訪れたこの干拓地を見てまわります。 のんびり過ごしていれば、会うべくして様々な鳥たちと出会います。 チョウゲンボウ が来ていました、今季初見。 水田には コガモ が数羽、こちらも今季初。 モズ もしきりと鳴いています。 

「始まったんだな・・・」 と、いつものフィールドへ想いが飛びます。

 

ホシゴイ

コガモ 今季初めて

チョウゲンボウ 今季初めて

初めて見る可笑しな表情の ハクセキレイ

カワウ

■ 撮影地:佐賀県

 

水辺の風景 2024年10月6日 東与賀の干潟へ

干潟に集う クロツラヘラサギ

久しぶりに佐賀方面へ足を向けました。 目指したのは東与賀、シギ・チドリなど渡り鳥の一大観察地です。 ホームの港エリアと同じ、有明海の広大な干潟。 以前にも何度か訪れています。

 

「大群」に焦がれての遠出、地元でもいろいろな鳥たちに出会いますが、大きな群に遭遇していません。 この日は潮の高さもまあまあと思えましたので、満潮よりも早め、少し余裕をもって到着となりました。

 

まあ、居るには居るのですが・・・

 

結果的には 「こんなもんか・・・」 と少し物足りない感じ。 どうしても 「春の渡りシーズン」 をイメージしてしまいますが、秋はこんなものかもしれません。 それでも クロツラヘラサギ が既に来ていたり、有明海の干潟風景を楽しむことができました。

 

移動の季節といえば、今回は ヒヨドリ の群。 

 

 

写真は東与賀へ向かう途中、荒尾海岸の辺りで気付いた ヒヨドリ の大きな群。 写真は早朝の光の中、羽衣がくすんだ紫色に見え、印象的でした。 いつも見かける ヒヨドリ・独特の飛翔とは違う飛び方、群での飛行は大きなリスクを伴います。

この日はここ以外、東与賀でも同じような大群に遭遇しました。 留鳥のイメージもある、ヒヨドリ。 この季節の群は ”やって来た” もの。 そういえばここ一週間くらいで世界に ヒヨドリ がやたらと増えたように感じるのは気のせいではないでしょう、賑やかになりました。