海岸でのシギ・チドリ観察も、例年の記録を見ればそろそろピークも過ぎて終局かと思いましたが・・・ それならなおさらの事、この週末を逃したくない。 週の初めころまでの予報では、またしても日曜日だけは 雨 となっていたのが、直前に少しずつ曇りから晴れへ変わって来ました。 であれば、行くべし。
頻繁に訪れる場所ですが、ひと口に 「荒尾海岸」 といっても実際には長大なエリア。 いくつかの観察ポイントが知られていますが、この日はといえば満潮は早朝・6時頃。 最初に車を付ける場所をどこにするか・・・ いつも悩みます。
どうしても以前に好い経験ができたところを選びたくなる、保守的な傾向があります。 せっかく訪れて カラブリ は避けたい。 それに、ついでと云ってはなんですが、せっかくなら アオバト にも会えそうな場所を選びたい。 そんな気持ちがどうしても行動を保守的に縛ります。
今回はいつもよりもかなり手前から海岸線へアプローチ。 早朝の浜を流し見していこうということになり、結果的にはすぐに群に出会うことができました。 スケールから云えば決して大きな 群 ではありませんが、荒篭に取り付いて潮目を待つ混群を見つけます。 思いもよらず、そこには一羽の クロツラヘラサギ も。 理由は分りませんが渡り遅れたらしき単騎、若い成鳥の姿です。
どこからともなく ダイゼン 隊が飛来。 数は100羽ほど、かれらは荒篭ではなく浜の波打ち際に陣取って潮目を待ちます。
見ることのできる シギ・チドリ の種類はさほど変わりませんが、荒篭で羽を休めているのは主に チュウシャク、オオソリハシ、キョウジョ、キアシ のシギたちと、クロツラが一羽。 浜には ダイゼン や チュウシャク のほか キアシ の群や メダイチドリ など。 数は多くありませんが、夏毛に変わってお腹の部分が真っ黒な ハマシギ も行動を共にしています。
のんびりと引き潮を待つ時間。 シギ・チドリたちにまだ動きは見られませんが、そこへたまたま飛来した来客を確認。 コアジサシ と アオバト、いずれも単騎でやってきたところを気付いて撮影。 お話しには聞いていましたが、アオバト が浜に降りた姿は初めて撮影しました。
少しずつ潮が引き始め、次第に浜が奥行きを増していきます。 荒篭で休んでいたトリたちは思い思い、浜へ向けて飛び立ちはじめます。 潮が引けば、そこは干潟。 さあ、食事の時間です。
群は小さなもので、対して次第に現れる干潟は広く、思い思いの場所で食事する鳥たちの密度はいっきに下がります。 そろそろ撮影も、お開きに。 クロツラヘラサギ も食事へと飛び立っていきました。
アオバト は数羽の小さな群でしたが松林へ入ったり、出てきたり。 これからしばらくはより大きな群で彼らを観察する機会が増えます。
今回、写真はもうひとつ彼らのイキイキした表情に欠けるものでしたが、これまででは最も ダイゼン や シギたち の近づいての撮影となりました。 ひとえにロケーションに依るもので、この場所は撮影がしやすかった。 また訪れてみたくなるような場所を見つけられたことは幸運で、大きな収穫です。
■撮影地:荒尾市