紋様の楽しみ --古伊万里の器--

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紋様の多様性、描かれた絵・絵付けの楽しさにおいて、おそらく古伊万里というのは骨董陶磁器の中でも抜きん出た存在と、いつも思っています。
精緻なものから、 『これでよいのか?』 と思うほど雑駁なもの、見ているだけで可笑しさがこみ上げてくるようなユニークなもの・・・ 
それら全て、骨董の世界では ”古伊万里” という一つのジャンルに収められているわけですが、これが実に楽しくてなりません。
 
古伊万里はせいぜい江戸初期からのものですので、この世界では比較的新しい部類といってもよく、『磁器』 ですので陶器などに比べれば堅牢ということもあり、現存する物の数が多く、比較的身近な存在として、どこの骨董市へ行っても必ず目にすることができます。
 
 
多彩な絵付・紋様といえば・・・
ご存知の方も多いかと思いますが、通称 『柴コレ』 と呼ばれるものがあります。
柴田夫妻コレクション、即ちコレクションされた多数の陶磁器品々を称するものですが、転じて、その 『目録本』 のことを 『柴コレ』 と呼ぶことが多くあるほど、その世界では有名な冊子です。
現在でも佐賀県立九州陶磁文化館にて販売もされておりますので、入手可能かと思いますが、内容は圧巻の一言。
監修などされておられる大橋氏の考古学的なアプローチと相まって、いまや古伊万里は素人でも10年刻みで製作年を推定できるような時代に突入しておりますが、それはそれ。
 
古いの若いのと、時代特定に身を燃やすのも、もちろん楽しい骨董との付き合い方の一ですが、ちょっと肩の力を抜いて、ただ只、その絵付けや紋様の楽しさに浸ってみるのは、なかなか良いものです。
そして、良い器というのはどんどん使ってみたくなるのが人情というものですが、電子レンジとか、色絵皿にナイフフォークをあてるとか・・・ ご法度もありますのでご注意を。
 
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