古伊万里・鳥紋様の楽しみ

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古伊万里の器には当時の職人たちの手により、様ざまな紋様が描かれております。
精緻にして美しい、柿右衛門様式の絵柄などはもちろん憧れるものですが、
古伊万里」 の紋様における楽しみは 「下手」 とは云わず、より大衆的な筆の中に
見出すのが楽しいものです。

かつて多くの古伊万里を手にし、近ごろではあまり入手することもありませんでしたが、
一目見て、思わず笑みがこぼれるような、この絵付けのセンスには呆れます。

うつわ自体は珍しくも無い、江戸後期以降の猪口(向付)。
幾何学的ないわゆる ”窓絵” の連続紋様が強調され、初めは気付きませんでしたが、
窓から覗くのは・・・ 鳥の羽根、鳳凰の尾? もしかして長い首かしら?
面相筆で しゃしゃっと、ヘタすると何だか実体が判らぬほどに、軽く描かれていますが
それがまた、いいんだな。
興味の無いヒトには、見えない。


イメージ 2 縁内には雨竜、見込みの鷺がまた泣けます。
 都会に暮らしていますと、あまり目にすることも無い 鷺(サギ)
 ですが、昔からとても身近な存在であったこの姿は、何とも
 絵的で美しいものです。
 
 思わず買ってしまった、うつわのお話でした。