須恵器を眺めながら・・・

イメージ 1
 
 
須恵器をみるといつも思うのですが、なんともまあ、現代でもさぞかしつくるのが大変そうなものを、よくも量産したものです。
薄作りでシャープな器成形、古代が 「上手」 で、中世になると 「ぼってり」。
技術というものは、基本的には引継がれていくもののはずですので、この 須恵器 → 中世陶 のギャップは研究の余地がありそうです。
 
写真は委託を受けてヤフオクへ出品しております 須恵器・はそう。
かなり昔に寄贈されたものということで、明日香の出土品。
「明日香」 と聞くだけで、しばし古代ロマンに耽ることが出来るほどの出土地ですので、確証が得られれば、いろいろと特徴のある固体ですので資料的価値が高く評価できそうです。
 
イメージ 2 
 
当時、器体に広く掛かった自然釉はさぞ見事な美しいものであったかと想いますが、発掘品の宿命、カセて消失し痕跡のみが残されます。
特質として一点、本品器体には写真にてご参照いただけます様に見事な 「鳥羽紋様」が装飾として施されております。
 
胴に中世陶の窯印のような釘彫印が見られます。
いわゆる 「窯印」 的なものなのか、はたまたキズや落書きなのか・・・。
 
内部には叩き手などに見られる、成形時に裏あてする道具の目跡が見られます。
 
 
イメージ 3

資料館・博物館のガラスケースに収めずとも、そのまま器のみ飾っていただくのも良し、この手はお花にも大変に相性が好い (たとえ欠損があろうとも!) ことも、須恵器が現代人に愛される大きな理由かと思っております。
 お花が好きなら、アレンジしてみたくなりますね。
 
 
 
ヤフオク・出品ページ/2017・08