小石原焼?小鹿田では?

 
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九州には多くの窯があり、焼物すきには飽くことの無いことと思いますが、以前からよく足をはこんできた
有田や唐津などのメジャーばかりでは見識が広まらぬと思い、先の連休に "いつもは行かないトコロ” という
趣向で、ひと足伸ばしてみることに致しました。
下調べでは 『小石原焼』 の陶器祭りがあるということでしたので、この機に訪ねてみました。
 
ところで、私は生来関東で生まれ育っており、陶磁器について感心を持ち、あちらこちらを覗いて
歩いた頃も、拠点は東京。
地方の小さな陶器の里に付いての知識などあまり持ち合わせていなかったこともあり、『小石原』 という
名前こそ知ってはいたものの、どの手の焼物をつくられているのかは像が結ばない有様でした。
 
そんな私でも 『小鹿田』 についてのイメージは多少あり、今回散策した皿山では、所謂 『小鹿田』 と
『高取』 の焼物を見ることになり、『これが小石原?』 という多少の驚きがありました。
 
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そんな話しはさて置き、初めての皿山というのは良いものですね。
見て歩く窯元、お店、そして作られている陶器すべてが私には目新しく、お天気にも恵まれて、
半日くらい、ゆっくりと時間をかけて散策を楽しむことができました。
 
当地の焼物に関して言えば、薄づくりで繊細、茶道具としても好んで用いられる 『高取』 と、
素朴で温かく、これぞ民窯の雑器と云わんばかりの 『小鹿田』 のコントラストは妙で、
両者がどのような軌跡をたどって、現在の 『小石原』 となるのか、また調べてみたいと思います。
 
小鹿田について云えば、この山で焼かれている陶器の殆どがこの型で、ある意味、どの窯元を
訪ねても、一見同じようなものが同じように陳列してあるのですが、そこはそれ、やはり違いや
好みは有るもので、それを捜し歩くのがまた楽しみの内でもあります。
代表的な作風は 『飛び鉋(トビカンナ)』 と呼ばれる、器一面に刀傷のような手彫刻を廻し施す
独特のもの。九州系らしい赤茶けた胎土に温かみのある白化粧を施した上に、先の飛び鉋をめぐらせて
あります。 多くのものに、織部とはまた違った味わいの緑釉を打ち掛けてあります。
 
その他、器の芯から放射状に文様を刷ってゆく刷毛目手などもありますが、私が記念にと選んだものも、
結局はこの手のモノ。
他所では出会えない、一つの完成した形を、この雑器に改めて見る思いが致します。
 
 
●小石原焼・高取焼
 
 
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