
▲小野川温泉 岡崎直志・作 姉妹はいっしょに出品へ

▲弥治郎系 佐藤伝長・作 精緻な筆、美しい色彩
これまであまり真剣に向かい合った経験の無いジャンルでしたので、この機会に少しでもと思い、また出品の必要にも駆られ、自分なりに感じたことを綴ってみることと致しました。
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”こけし” は主に東北の温泉地に生まれ、そして育まれた郷土玩具。
古くは明治期よりお土産として徐々に親しまれて参ります。
昭和も中期を過ぎますと、その手工芸品としての価値を見直す気運が高まり、その製作技術の評価・賞賛と共に、主に産地・作者による特徴など、体系的に研究・編さんが進んで参ります。
今回出品して参りますものは当時、概ね 昭和40年前後 に製作されたものが中心となっております。
古くは明治期よりお土産として徐々に親しまれて参ります。
昭和も中期を過ぎますと、その手工芸品としての価値を見直す気運が高まり、その製作技術の評価・賞賛と共に、主に産地・作者による特徴など、体系的に研究・編さんが進んで参ります。
今回出品して参りますものは当時、概ね 昭和40年前後 に製作されたものが中心となっております。
一連の出品に際しまして 一つひとつ を手に取り確かめ、そして撮影など進めて参りますと、凡そ単純とも云える木挽きにも熟練の技が、また更にはその絵付けに見られる作者の筆遣いなどは、柳宗悦の云う ”民藝の美” であることは、日本の手工芸を愛し関わる者として、実にしっくりとくるものでした。

もう一つ、こけしは民藝であると同時に ”人形” であり、そこに独特の世界が生まれます。
同じ様でもよく見れば違う顔に、違う表情。
”擬人化” とか、”感情移入” と云えば簡単ですが、こけしに話しかける事は、ごく自然な事に感じられるのです。
” 君は・・・ いったい、どこの子?”

▲一度見たら忘れない表情 遠刈田・佐藤丑蔵の作風

▲作者名や製作の年号、製作時の年齢が記されるのはこけし独特です。

▲完成された華やかな雰囲気を備える 鳴子 のこけし
この度ご縁をいただき托されましたコレクションでございますが、私の役はその価値を、ご覧の皆様に見出していただけます様、丁寧に扱って参りますこと、そしてこの文化を後世へと引継ぐお手伝いかと思います。
これまでにも蒐集されておられる方々はもちろん、今まであまり関心の無かった方々へも・・・
ぜひ多くの方にご覧いただきまして、時にご参加いただくことができましたら幸いでございます。