明治期金工・匠の美 盛之作 彫金 高肉象嵌 蜂図金煙管

 

金材が用いられた羅宇煙管、雁首には筆跡が彫られ K20 の刻印がございますが、本品の見せどころは吸口の方、巧みな彫金の技術で蜂図が施されております。 陰陽を巧みに組合わせた立体的な作風は金・銀・赤銅などを効果的に用いた 高肉象嵌 の彫金技術。 

 
天下泰平の江戸期、戦国の世では実際的な兵器であった刀は徐々に装飾性を帯び、様々な技巧が凝らされた刀装具が用いられるようになります。

刀装具を華やかに飾った金工の技。 明治を迎えて刀の製造も無くなりますが、その技術を用いる場はこのような装身具へと移り変わってゆきます。 

 

本品などは徹底したリアリズムの美を追求する往時、名工の匠を存分に楽しむことができる作例、「盛之」 銘は 村上(凌雲)盛之 の作と推定されます。
金材が用いられた明治期日本の大変貴重な金工作品かと思います。