チキンハート

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くーさんは毎日、夜の間は適度な大きさのダンボール箱に入って眠っているのですが、近頃はそのダンボールがとても嫌なようで(好きなワケなどないのですが)、入れるときは最大抵抗をするし、入って蓋をしめた後も、しばらくは箱をボコボコとどついています。
それでもしばらくするとあきらめて、長い夜を受け入れてくれるのですが、私も何だかいい加減これではカワイそうな気がしたため、今日はインコ用のゲージ(まあまあ大きさがあるもの)に上をあけてそこから入れてみました。

もちろん喜びはしませんが、さして抵抗も無かったので、職場から家まで車に乗せて持ち帰りました。
特に問題は無いように思いましたが、異変はその後で起こりました。


駐車場から玄関へとカゴを運び、インコならそこから出入りできる、あの小鳥用の小さなドアから手を差し入れたとたん、くーさんは物凄いパニック状態に陥り、羽をフル回転でバタバタと止めどなく動かし、目は見開かれ、くちばしは大きく開き、痙攣でもしているかのように小刻みに震え・・・、それは収まる様子がありません。

コレはまずいっ、とあばれるのを強引に押さえてつかみ出し、そっと胸に抱いてなだめてみました。
ばたつくのは何とかやめてくれましたが、息があがり、口を早鐘の鼓動と共にパクパクと動かして・・・。
そんな状態が数分続きました。


トリさんに限らず、パニックが死につながることはよくあることだと思います。
むかし同居していたネコは、老年期に入っていたとはいえ、まだまだ健康に暮らしていましたが、ある時、食べ物をのどに詰まらせてしまいました。
息ができなくなり、パニックになって駆け回り、家具に激突して死んでしまいました。

動物は脅かしてはいけないのですね。


それにしてもくーさん、何たるチキンハート。
いったい何がパニックを引き起こすスイッチになったのでしょう?

今にして考えれば、鳥かごのドアから "ぬーっ"っと手を差し入れたのが、ヘビが首をもたげてにじり寄ったようにでも思えたのでしょうか?
何か、そのようなDNA的・絶対的な危機に直結するイメージを見てしまったのでしょう。
あのままパニックがもう少し続いていたらと思うとぞっとします。

ハトはインコと比べて(またしてもインコと比較)、輪をかけて "臆病" なのですね。
その "臆病さ" がなければ、自然界ではあくまでも捕食される側、長生きはできないのでしょう。


残念ながらパニックの時の記録写真はありません。
くーさん、頼むよ、ホントに驚かさないでよ。
大きく開き放した口の奥、あかいノドの色が印象的でした。