窓から見える景色

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出張で4日間ほど家を空けておりました。
もちろんその間くーさんは親戚の家へ預けさせてもらいましたが、帰ってみて聞いた話によると、
『まったくなつく気配もなく、ヒトの顔を見れば逃げていた・・・』 とか。

キジバトのくーさんがヒトミシリなことは前にも書きましたが、それくらいの日にちでどうにかなるような性格ではなかったようです。


くーさんと生活を共にするようになり、あっという間の一月が過ぎ、いやでも ”放鳥”の日が近づいてきます。

写真はくーさんお気に入りの窓台からの見た世界です。
夕景ですが、この窓は建物の2階、西の方を向いており、右手に立っている電柱の下のほう、さして大きくもない桜の木がくーさんの生まれた場所です。
その枝には今でもあの日のまま、くーさんが生まれて親バトと過ごした、小さくて貧弱な巣が残っています。
私は今でも時折、その巣をのぞきにいきます。
そこには新たなツガイが陣取ることも、もちろん親バトの姿もありません。
主のいなくなった巣、住人の居ない鳥かご・・・。
また来年、親バトは子育てに失敗したこの巣に戻ることがあるのでしょうか。

私はこの窓から見える景色をくーさんに覚えてもらいたいと思っています。
善くも悪くも深く関わってしまったくーさんと私です。
お腹がすいているのなら、ここへ戻ってくればよいと思います。
野鳥にエサを与えてはいけない?
その意味ではもう、くーさんは野鳥ではありません。

目の前の空地に立つ看板に、よくキジバトが羽を休めています。
くーさんの生まれた木に並び立つ電柱の上で、先日もキジバトが ”デーデポッポポー”と唄っていました。

今日はくーさんの ”ひゅー”という鳴き声を聞くこともほとんどありませんでした。
くーさんは今も、相かわらず私の近くで羽を繕っています。