オフィスで目と鼻の先、お隣の木々にコゲラが来ているのを知ったのは昨年のこと。 コゲラは場に入るときにひと声あげるので 「来た」 とわかります。
彼らが目を付けている木は、なるほどいろいろと問題のありそうな弱った部分が見られます。 ムシが捕まえやすい場所を選んで 「お気に入り」 に登録しているんでしょう。
今年もスズメの幼鳥がちらほらと、親に連れられて来ています。 今はちょうど屋外訓練の段階。 自分で取ったり、親にねだったり。
■撮影地 : 熊本市南区
久しぶりに訪れた長崎の町。 以前にも訪れたことがある唐人町をぶらぶらと散歩。
長崎には幾度も来ておりますが、そう、この坂の町にはネコが絵になる風景がそこかしこにあるのでした。 改めて出会うまで、忘れていました。
さて唐人屋敷跡にはいくつかの廟があり、それを巡るのが散歩コースになっています。 狭いエリアですので本当に気軽に廻れますし、中華街でお腹を満たした翌日の散歩には最適です。
廟にはそれぞれ偉人などが祀られていますが、神仏に特化された日本の文化とは異なるところか・・・、いや日本にも神像や聖徳太子など神格化された偉人を祀るお堂や廟はかしこに在るか。 それはさて置き日本と同じような意匠を踏襲しているように見える箇所もあるな・・・ そんなことを考えながら、ほかにヒトもいないので気楽にシャッターを切りながら散策を楽しみました。
日本の建築様式に比べ、中国や朝鮮では屋根の棟は端部がもたげられ、ダイナミックな雰囲気。 日本の社寺建築は 静 を求め、大陸のものは 動 を彷彿とさせます。
軒先の鬼瓦は古来より我が国の、特に仏教寺院建築で用いられますが、この少し下がった場所に化粧として獣型を乗せているものはあまり見ないような気がします。 この町は華僑が自国の文化を形とした歴史がありますので、あちらではそう云うものなのか・・・ などと異国の文化に想いを寄せます。
瓦細工とはまた別に、なかなか威風堂々とした木鼻が目を引きます。 廟は様々な神獣たちにより守られています。
神獣とはまた対照的なリアルの町獣、ネコたち。 坂の町は小さな路地も多く、車が行き来しない場所も多く、なんだかとてもリラックスした雰囲気を見せるネコたち。
■撮影地:長崎市
夏の間、しばらく楽しませてくれそうな白川のサギたち。 なんだかいつも同じような写真ばかり取っているのですが、ゴイサギはユニークで表情豊か、見ていて飽きることがありません。
この日は午前中の光が背の肩羽根を鈍く輝かせ、白い吹流しとのコントラストが美しく見えました。 基本的に 待受けスタイル のハンターですので、下手をするとまったく動いてくれないことも多くあります。 その固まっている姿がまたなんだか可笑しくもあり、風景の中に収めてみたくなる被写体です。
さて、いつものやつら・その2のササゴイ。 こちらは比較的頻繁に場所替えをするために飛び立つことが多く、そのシーンを撮りたいと思うのですが、なかなかピシャリといきません。
この日は単騎、イソシギ が遊びに来ていました。 人工の浅瀬で忙しくエサを採ってまわります。
■撮影地 : 熊本市南区
今までにも何度か訪れた、佐賀県の干拓地。 ラムサール条約で守られる水鳥たちの楽園。 特にシギ類の観測数は日本有数、潮の高い時には多くの人が鳥を見に訪れます。
でもその前に、荒尾の浜辺に立ち寄りますのは、ちょうど途中にあるからでもありますが、こちらもラムサール条約に批准して登録された水鳥の飛来地。 地の利が良いこともあり何度も訪れていますが、潮を見ずに無計画に訪れた事もありますが、それを置いてもとにかく、私たちにとっては「鳥のいない場所」です。 一羽のシギも見れずに帰ることが多く、ネガティブな印象しかありません。
本当にそうなの? 何か私たちが勘違いしてるのでは?
この日、潮はまあまあで、時間も早めですが合わせました。 朝も早めという計画でしたが、市の施設の前の浜は案の定、もぬけの殻。 ここ、浜とつながった駐車スペースに気軽に乗り込める事もあって、ヒトが浜に降りることが多すぎる場所なんだと思います。 そんなところに鳥たちが休むわけがない。
で、そこから少し離れた小さな浜に向かいましたのは、以前小さな群の飛来を見たことがあったからでした。 今回訪れまして、人気も無かったもので、静かにそっと遠くから覗いてみると・・・ 居ました、ダイゼンの小さな群が波打ち際で屯しています。
気付かれはするでしょうが、こちらは隠れることもできる防波堤の手前、散らさないようにゆっくりと、静かに歩を進めてゆきます。 そして何とか近づけるところまで来て、とにかくと撮影開始。
すると、その直後、彼らが一斉に飛び立ちました。 「やっちゃったか・・・」
慌ててシャッターを切り、撮影したのがこちらの写真。
辺りで他に鳥の姿は無く、せっかくの群を散らせてしまったことにしばし呆然としていると・・・ 波打ち際を向こうから歩いてくるヒト、一人。 彼らが飛び立った理由は明らかですが、ここは人が散歩しちゃうところのようで、こりゃあ鳥たちも来にくいと納得しました。 鳥がどう、という話は朝の海岸散歩を楽しんでいる人にはどうでも良いことですし。
その時、一羽の白い鳥が海岸からさほど離れぬ上空でフワフワと舞っていることに気付きました。 初めはカモメの類かと思いましたが、正体はアジサシ。 海面へ急降下して見せましたので、すぐにそれとわかりました。 まともな撮影はできず残念ですが、初めての出会いは嬉しいものです。
およそ満潮の一時間前、東与賀の干潟に到着。 眺めていると、少しずつ群が飛来し合流してゆく様子がわかります。 いつもながらに少し遠い間合いでしたが、撮影を楽しみました。
観察している間、サギを残して殆んどの水鳥が飛び立ってしまうことがりました。 観れば上空に二羽のハヤブサが旋回。 撮影できず残念でしたが、独特な鳴き声を放ちながら下界を見下ろしています。
しばらくすると、群が徐々に返ってきます。
干潟の時間はのんびりと流れています。
■撮影地 : 佐賀県 東与賀
先日、以前から好きなトリの博物画を2点入手しました。 いずれも身近な野鳥などでは無く、ワールドクラスの鳥たちで一枚は ケツァール、そしてもう一枚が 孔雀。
こいつらといきなり遭遇したら、間違いなく腰を抜かすでしょう。
版画の完成度も素晴らしいと思いましたが、これら鳥たちのあまりの美しさに目を見張りました。 が、トリ属にはこんなのがいるんだよなと納得もしています。
日本にはもちろん生息していないので、野外で出会うことは有り得ない鳥たち。 ケツァールやフウチョウ、ハチドリにもいつか会ってみたいと思いますが・・・ クジャクとはいったいどんな鳥であったか。 子供のころに動物園で見たかもしれませんが、残念なことにあまり記憶に残っていません。
それにしても・・・ 孔雀。
見れば見るほどこの世の物とは思えません、物凄いディテール。 目の覚めるような色彩と紋様。 顔はもっとコワモテなのかと想像していたのですが、つぶらな瞳もなかなかキュートです。 オスは時おり羽を広げてみせ、観るヒトを喜ばせてくれます。
大きな大きなフライング・ゲージの中、この羽では飛べないだろうと思えるクジャクたちですが、時おり羽ばたいて宙を舞い、高いところに移ります。
飛べるんだ・・・
■撮影地 : 長崎県 孔雀園