今までにも何度か訪れた、佐賀県の干拓地。 ラムサール条約で守られる水鳥たちの楽園。 特にシギ類の観測数は日本有数、潮の高い時には多くの人が鳥を見に訪れます。
でもその前に、荒尾の浜辺に立ち寄りますのは、ちょうど途中にあるからでもありますが、こちらもラムサール条約に批准して登録された水鳥の飛来地。 地の利が良いこともあり何度も訪れていますが、潮を見ずに無計画に訪れた事もありますが、それを置いてもとにかく、私たちにとっては「鳥のいない場所」です。 一羽のシギも見れずに帰ることが多く、ネガティブな印象しかありません。
本当にそうなの? 何か私たちが勘違いしてるのでは?
この日、潮はまあまあで、時間も早めですが合わせました。 朝も早めという計画でしたが、市の施設の前の浜は案の定、もぬけの殻。 ここ、浜とつながった駐車スペースに気軽に乗り込める事もあって、ヒトが浜に降りることが多すぎる場所なんだと思います。 そんなところに鳥たちが休むわけがない。
で、そこから少し離れた小さな浜に向かいましたのは、以前小さな群の飛来を見たことがあったからでした。 今回訪れまして、人気も無かったもので、静かにそっと遠くから覗いてみると・・・ 居ました、ダイゼンの小さな群が波打ち際で屯しています。
気付かれはするでしょうが、こちらは隠れることもできる防波堤の手前、散らさないようにゆっくりと、静かに歩を進めてゆきます。 そして何とか近づけるところまで来て、とにかくと撮影開始。
すると、その直後、彼らが一斉に飛び立ちました。 「やっちゃったか・・・」
慌ててシャッターを切り、撮影したのがこちらの写真。
辺りで他に鳥の姿は無く、せっかくの群を散らせてしまったことにしばし呆然としていると・・・ 波打ち際を向こうから歩いてくるヒト、一人。 彼らが飛び立った理由は明らかですが、ここは人が散歩しちゃうところのようで、こりゃあ鳥たちも来にくいと納得しました。 鳥がどう、という話は朝の海岸散歩を楽しんでいる人にはどうでも良いことですし。
その時、一羽の白い鳥が海岸からさほど離れぬ上空でフワフワと舞っていることに気付きました。 初めはカモメの類かと思いましたが、正体はアジサシ。 海面へ急降下して見せましたので、すぐにそれとわかりました。 まともな撮影はできず残念ですが、初めての出会いは嬉しいものです。
およそ満潮の一時間前、東与賀の干潟に到着。 眺めていると、少しずつ群が飛来し合流してゆく様子がわかります。 いつもながらに少し遠い間合いでしたが、撮影を楽しみました。
観察している間、サギを残して殆んどの水鳥が飛び立ってしまうことがりました。 観れば上空に二羽のハヤブサが旋回。 撮影できず残念でしたが、独特な鳴き声を放ちながら下界を見下ろしています。
しばらくすると、群が徐々に返ってきます。
干潟の時間はのんびりと流れています。
■撮影地 : 佐賀県 東与賀