水辺の風景 2023年5月14日 改めて、シギの観察

波打ち際で遊ぶ シロチドリ

日曜日、晴れ曇り。 午前中から動こうかと思いましたが潮をチェックすると、どうも午前中からの好い時間は干潮。 満潮は 午後・4時47分頃 ということで、夕方の満潮から潮が引き出すはじめる頃合いをターゲットとして、海岸を訪れます。 

 

時刻にして午後・5時をまわった頃、目的の海岸へ到着。 いざ、浜辺を覗いてみると・・・ 誰も来ていない、生体反応なし。 波打ち際にはチドリが二羽ほどいましたが、団体様の姿は無し。 

以前から無計画に浜を訪れると、いつもこんなだった・・・ ですが、満潮前後・2時間という目安もあるようなので、この後一体何が起こるのか、起こらないのか。 ここは待機と決めました。 

彼らの行動法則が理解できればハズレは回避できます。 ただ、この日はもう5月も半ばで、もしかしてシギたちはみな行ってしまったかも・・・という不安もよぎりましたが、とにかく様子を見てみようという事に。 

 

日は長くなったといっても、だんだんと夕方の気配が。 やっぱり来ないのか・・・ 時刻は6時をまわり、この日は諦めて撤収することに。 こんなことは、しょっちゅうあります。

意気消沈しながら撮影場所から撤収しかけたその時! 鳴声とともに大きな群が突然飛来します。 来たっ!

 

混群飛来


いろいろと分かったことがありますが、面白いと感じたのは飛来した群の構成。 この時一斉に姿を現したのは チュウシャクシギオオソリハシシギダイゼンキョウジョシギハマシギメダイチドリ など、いつも見ている混群そのもの。 私の勝手なイメージでは、それこそある程度は種別ごとに分かれて、小さな群が次々とやって来る・・・ なのでしたが、ここは ”ドカン” と混群、でした。 可笑しかったのはそこに コアジサシ も一羽だけ混じっていたこと。 コアジサシ旅鳥ではなく、夏場はこの辺りで過ごしますので、たまたま群を見つけて合流しただけとみるのが正しそうです。 

 

 

その後、しばらく撮影と観察を続けるわけですが・・・ もう一つ、気になった事が。 彼らはこの時間、何をしにここへ飛来した?

 

水中にクチバシを差し出してエサを採る様子

飛来して間もなく、アオアシシギ だけが数羽、波打ち際で餌を採り始めましたが、それ以外のシギたちは羽を休めるばかり。 思いのほか潮が引いていかなかったので、まだ餌となる干潟の生物が顔を出していないだけかもしれませんが、気が付けば夕日の時間帯に。 この浜を今日のネグラと決めているのでしょうか。 

 


みな休んでいるといってもいつものように眠っているようで、そうではない。 時間間隔にして10分かもう少し、でしょうか・・・、引き潮に合わせて少しずつ前進していきます。 後退する様子は前回観察しましたが、混群が一斉に少しずつ前へ進む様は、それこそ寄せ集めの軍隊が少しずつ陣を前に押し進めてゆくようで愉快です。 

 

有明海の夕日

気付けばもう夕日の時間帯。 私たちもボチボチ切り上げです。 

今季最後となるか、シギ・チドリ たちの観察。 撮ってみたいシーンがまだまだいくらでもありますし、いくらでも精細な写真を撮ってみたい。 

その醍醐味は何といっても大きな群のダイナミクスを体感できること。 カモ も大きな群を成しますが、シギ・チドリ が大変興味深いのは 「潮」 と連動するダイナミクスかと思います。 観察者も潮を識る必要があり、その上で初めて彼らの行動に理解が深まります。 

いつも思うのですが、課題が残っているのは楽しみが続くこと。 また訪れたい、5月の荒尾海岸でした。

 

■撮影地:熊本県 荒尾市