足しげく通った今井川、そしてそこに集う鳥たち。 いずれとわかっていたことですがこの日、私は役割を終えてこの地を後にすることになりました。
横浜で過ごす時間は辛く、苦しいことが多すぎました。 そして、時間の経過と共に、季節が移ろうほどに、底なし沼のように逃げ場を失ってゆく日々。 この川辺で一人、何度も涙を流しては天を仰ぎました。
私は正気を保つ術として、積極的な現実逃避として、そしてある時は自分の体力や生活リズムを保つため散歩を日々の日課とするように川辺を訪れては頭を空にし、ひたすら鳥たちと会話し、写真を撮っては編集するこの作業を続けていました。
それもこの日でひと区切りと相成りました。
カルガモたちに励まされ、カワセミを追い・・・、セキレイと遊んだこの場所、今井川。 もう再び訪れる事は無いでしょう。 深い悲しみを紛らわすために通い続け、そして育まれた温かく楽しい記憶が今、胸によみがえります。
苦しみばかりと思っていた、母といっしょに過ごしたあの部屋。 その記憶がまたそうであるように。