水辺の風景 2024年2月3日 有明海の風景・ズグロカモメ

 

2月初めの週末、あいにくの曇り空。 まあ曇ならくもりで柔らかなデイライトで撮影もできようと、海辺へ足を向けます。 

相方の新しい機材を試す目的もあり、少しのんびりと撮影できる不知火・八代方面の海際を訪れました。

 

 

つい先日までは 「ユリカモメ」 くらいに思っていた、ズグロカモメ が堤防から比較的近いところを舞っています。 この日はあまり潮の大きな日ではありませんでしたが、顔をのぞかせている干潟に向かって時おり急降下。 何を採っているのかと思えば、さかんに捕まえているのはどうやら ムツゴロウ らしき小魚。 泥だらけの獲物をパクリとやるわけで、胃の中はさぞかしドロだらけになるだろう・・・と眺めておりました。

後で写真整理をしていて、空中でドロを吐き出している姿が写っていて、さもあらんと腑に落ちました。

 

 

曇天の干潟でカモメなどを採っていると、撮影した写真はモノトーンの世界に。 僅かに青みを帯びた水面に ソリハシシギ の小さな群が飛来する瞬間を撮影。 いつも、なかなか思うように絵をつくれないのはテクニックの問題ですが、きちんと向き合ってみたいテーマだと感じています。

 

 

さて、この日の課題は α6700 の試写でした。 レンズは -350ミリの望遠ズーム。 これまで使用してきたフジの -300 と比べて画質はどうか。 また T5 と比べて AF の性能はハマるのか。 

しばらくは試写と比較です。

 


■撮影地:熊本県 不知火・八代

 

水辺の風景 2024年1月28日 1月末の港風景

あいにくの薄曇り、潮位をみて朝9時過ぎ頃から港エリアを回りました。 写真は ハマシギ の群飛行から。 

 

 

 

その ”群” を眺めて岸に佇む ハヤブサ。 その前を群が幾度となく通過します。 むしろ ハヤブサ が見つめているので場が落ち着かず、鳥たちも幾度となく飛び立ったりするのかもしれません。

 

画像・右隅辺、堤防のスカイライン上くらいに写っているのが ハヤブサ。 ツクシガモ たちが危機回避のためテイクオフ。 オオハクチョウ はといえば、どうやら ハヤブサ のことはさほど気にならないようで・・・、寝てます。 

 

航路を行くフェリーがつくる波間にプカプカと浮かぶ カンムリカイツブリ。 長大に連なるコンクリートの波消しは カワウ たちの休み場所になっていますが、よくみるとそこに カツオドリ も混じっています。

 

 

堤防内の耕作地でクロツラヘラサギの群に出会いました。 いつも アオサギ に出会うと大きいなと感じるものですが、クロツラの体躯も負けていません。 アオサギ の となりに小鳥がいると、パクリと行きやしないかと少し不安ですが、これなら平気そうです。 

 

 

■撮影地:熊本市

 

日々のスナップ 2024年1月24日 マクロレンズで遊ぶ

リル

先日入手したレンズで遊んでみます。 近ごろはもっぱらフィールドのトリたちばかりを超望遠で撮影していますが、新しいレンズはまったく違う遊び方。

明るさはそれこそ開放 F2.8 ほどですが、室内の乏しい光源でも十分に撮影できてしまいます。 そして、マクロは寄れる寄れる。 いつでもどこでもシャッターが切れるこの自由な感じ、新鮮でとても楽しい。 被写体はそろってます。

 

ハク

マウントアダプターを介してのレンズ遊びなのでピントはむろん、マニュアルフォーカス。 野鳥撮影でも AF+MF は常時使用していますが、このマクロレンズの浅いピントを合わせるのは、長いこと忘れていた楽しい作業です。 計算して光の効果を遊びに取り入れることができれば、いっちょ前かなと思います。 

などなど、明るいレンズってやっぱり好いなぁ・・・ とつくづく思うのですが、これは重い。 昔はこの重厚さに魅かれたものですし、CONTAX の一眼レフにバリオゾナーの更に重たい組み合わせを平気で振り回していたものですが、その根性も体力も失われつつあります。 すでに重厚なつくり込みが美徳の時代は終わり、メーカーも製品の軽さを競います。 私は性格的に相変わらず惹かれている一方、実用にはDAと感じてしまうのは悲しい事です。 

 

ココロ

ポアロ

今回画像はみな「絞り開放」「無編集」(トリミング最小限)です。 撮影データが残らないのは思った以上に不便かもしれません。

背景がうるさくならない、ピント部以外は柔らかく描写されること、などは鈍い自分でも気付きます。 ただ、撮影は難しい。 開放撮影という事もあり合焦はシビア、僅かでもズレれば見れたもんじゃありません。 モデルさんたちもじっとしててくれれば好いのですが、そうとばかりは参りません。 まだまだコツをつかめていないのもありますが、気に入った構図とか、一瞬の表情とか・・・そんな次元の高い話ではなく、全体に成功率はけっこう下がります。 しかししかし、昔と違って駄目な写真は廃棄すればいいのですから、まあ気楽なものです。 

かつてフィルムは 36枚撮り なんかを使って、フィルム一本がいくら、現像いくら、そして焼き付けの前にコンタクトでネガチェック・・・ などとやっていたことがウソのようです。 36枚?、今は一瞬です。 

ただ思うのです、この期に及んで我ながらシャッターがあまりにも軽い、軽すぎる・・・ 

 

発色については、ひと言で云えば 「好み」 でした。 室内の無茶苦茶な複合光源で撮影しているわりに発色はフラットでなめらか。 ホワイトバランスはカメラとの相性もあるのでしょうが、無編集で見れるとは思ってませんでした。

今度は屋外でスナップショット・近景や風景なども試してみましょう。   

 

■撮影データ

カメラ Fujifilm X-T4

レンズ Carl Zeiss CONTAX *T Makro-Planar 100mm F2.8

マウントアダプター K&F C/Y → X

 

水辺の風景 2024年1月21日 フライキャッチャー と ニュウナイスズメたち

 

フライキャッチャーは海際の堤防で出会った ハクセキレイ。 連写のタイミングがたまたまキャッチの瞬間になっていた事に気付いたのは、写真整理の時でした。 

 

 

 

同じ堤防際、電柱に多くのスズメがいましたので望遠レンズで確認すると、その多くはニュウナイスズメ でした。 一団となって電線に付いたり、下のブッシュに舞い降りたり、を繰り返します。

ニュウナイスズメ は冬季しか出会わないような気がしていたので 渡り鳥 と思い込んでいたのですが、資料では国内の南北移動でした。 中部以北で「夏鳥」、この季節、この地は 越冬地 ということで、集団行動をとる習性のようです。 

 

■撮影地:熊本市

 

水辺の風景 2024年1月14日 大潮の日曜日

クロツラ と一緒に行動している ヘラサギ

大潮の日曜日、港周辺の散策。 観察に適した時間帯も好い具合でしたので、少し早起きして足を運びました。 早朝の寒気の中、柔らかく澄んだ光が美しく、海辺の風景を撮影して回ります。

 

今季この場所で見かけるのは2回目の オオハクチョウ。 グレーの羽衣は 若鳥 です。 カモたちといっしょの写真では ハクチョウ の大きさが際立ちます。 

 

キンクロ と ユリカモメ、気が合うのでしょうか? いっしょに群れているところを記念に一枚。

 

潜って獲物を捕る カンムリカイツブリ、いつも水深のある港湾部で見かけます。 けっこうな数を見る事ができましたのは今季では初めて。 またしばらく、羽衣が変わり始めるくらいまで楽しませてもらえそうです。 遠く航路を行くフェリーには ユリカモメ たちがはりついているのがわかります。

 

白川河口部の背景は山、大好きなロケーションなのですが撮影はいつもイマイチです。 この時間帯は多くの群が行き来する絶好のタイミングなのでしたが。 群はカモが多いのですが、カモメ と ホシハジロ隊。

群れるように舞っているのは ズグロカモメ。 冬季ですのであの黒顔は見ることができません。 ユリカモメと体格なども似ていますが、クチバシの色などで判別ができます。 

 

潜水系のカモたちが水面を走って舞い上がるのに対し、見事に一瞬で離水する カルガモ のテイクオフ。 当たり前のようにやっていますが、お見事。

 

クロツラヘラサギヘラサギ。 ここではいつも混群となっていて、違和感がありません。 朝の光だと白いトリもディテールまで写すことができてとても好い気分。

そういえばこの頃は脚に 識管 を付けた個体を見かけませんが、増えているのかなと思います。

 

ツクシガモ と いっしょに食事をしているのは セイタカソリハシシギ。 例年この港湾部でごくわずかに観察できるようですが、この日は遠いながらなんとか撮影を試みました。 終始、水中に首を突っ込んでいるためになかなか特徴的な嘴を捉えることができません。

 

堤防内の耕作地も少し広く見て回ります。 今季はいつでも タゲリ を見ることができます。 群は十数羽ほど、居る場所はだいたい決まっているようです。 車にはだいぶ慣れてもいるようでさほど警戒しませんが、この日は飛来したカラスに一瞬にして追い散らされました。

 

 

 

こちらは珍客のグースたち。 彼らが収穫の終わった耕作地で休む姿は先日、宮城県の伊豆沼周辺で何度も見かけた風景。 懐かしさを覚えます。 見る限り5羽の小さな群れですが、この地で見かけるのはけっこうな驚き。 気候変動などは望ましい事ばかりとはいきませんが、例年訪れてくれるようになると好いのですが。 今回は単騎ではなく小群ですので、少し期待してしまいます。

 

一羽だけひとまわり大きいか・・・

 

事後の調べですが、写真の大きな一羽は オオマガン(亜種) の可能性があるようでした。 

 

■撮影地:熊本市

 

水辺の風景 2024年1月7日 江津湖にて

 

休日の江津湖は人が多く、気が乗らないところもあるのですが、それでも訪れればまあ被写体に困ることはありません。 この日も駐車場に車を停めて降りたとたん、目の前に カワセミ が飛来。

 

バン

 

この日は駐車場が込み合っていてボートハウス側から公園に入りました。 いつものように ヒドリガモオオバン が大きな湖面に集ています。 ただ例年に比べるとカモの数は少ないような気がします。

 

ふだんはあまり足を延ばさないのですが、下江津の方で ヨシガモ が見られるカモというので、覚悟を決めて歩きます。 一口に 「江津湖」 と云ってもけっこう広いところ。 年末に 椎間板ヘルニア と診断され、機材を持っての長歩きはどうかなと思ったのですが・・・ せっかくですので初志貫徹。 行ったら、帰ってこないといけませんので少しビビりますが。

 

 

ヨシガモの観察は今季初めて。 江津湖で見るのも、初めて。 いつもながら芸術的な姿かたち。 と、オスはいつもすぐに判るワケですが、メスは近くに居ないかなと思うわけです。 ところが、これがなかなか見つけられない。 この日もダメでした。

ヨシガモ は ZooPicker に掲載の記事を参考に出会うことができました。 ありがとうございました。 

 

ふと見ると、すぐそこは動物園。 せっかくここまで来たのから・・・と、初めての入園。 ここに世界のトリが居ることは知っていましたので、ちょっと覗いてみようということに。

 

 

今回初めて使うレンズ、マクロプラナーの 100mm/F2.8。 ポートレート用にどうかと、アダプターを咬ませて Fuji の T-4 に装着して使用するべく入手。 このテの遊びにはまると痛い目にあいそうですが、入手してしまいました。 そして偶然にも目の前にこの上ない被写体。

近ごろは超望遠ばかり使用していて、F2.8 の明るさは久しぶり。 明るい屋外で開放撮影すると SS=1/4000 とか平気で使えてしまいます。 もちろん MF 使用、デリケートなピント合わせも楽しく思えます。 

撮影画像は・・・ どうなんでしょうか。 ピント部分はシャープに、そして柔らかくデリケートなボケ味、そのあたりに期待して入手した100ミリですが、しばらく使ってみて、比較はこれからです。 青いトリと植物の写真はプラナーで撮影し、無編集を掲載しています。

 

さて、園内のトリたち。 動物園の生き物を見るのは多少なりとも複雑な心境です。 そのテーマにはあえて触れません。 水鳥のコーナーがありましたので、見学。 雁やコクチョウ、オシドリなどを見ることができます。 

 

 

 

派手で巨大なハトを見た帰り道。 川沿いの道を行くと、やたらとキジバトが群がっている樹を発見。 夢中で木の実をついばんでいます。 キジバト はツガイでは行動しますが群れることはないので、魅力的な樹に集まっていた・・・ということかと思います。 キジバト大好き。 

 

 

■撮影地: 熊本市 江津湖(一部・動物園内)

 

鳥地巡礼 2023~2024 年末年始 

■ 2023年12月30日 玉名の干拓地へ 

 

スズメの群

マナヅル

タゲリ

スズメの群に出会うと何だか安心するのはなぜでしょう。 

今季、いや旧年中、この場所に何度足を運んだことでしょう。 例年この時期は ツル が飛来していますが、今季は前年に比べて数が少ないような気がしています。 タゲリも同じ。 

例年変わらず・・・とならないのは、ある意味あたりまえのことかもしれません。 彼らは自由でもあり、大きな変化の前では無力です。 その時々に合わせてできる事を精一杯やるだけ。 気候変動については様々に云われる事ですが、統計的な変化は後から解るのが通例です。 

 

 

■ いつもの場所、熊本港周辺 

 

トビ

ホシハジロ

オオバンの群 畑から水路へ

ツクシガモ の群

カルガモ

オナガガモ

干潟を見下ろす鉄塔に入った ハヤブサ

 

今季もこの場所へ何度足を運んだでしょう。 港エリアと愛称していますが、いくつかのゾーンがあります。 

まずは堤防内の耕作地、いわゆる干拓地です。 冬場に稼働している畑もありますが、多くは休耕地、特にハスを育てる耕作地は水も完全に引いてお休み中。 耕作が終わった畑では落穂や残った作物を物色するトリたちの餌場になっています。 

次に、干拓地内の水路・クリーク。 干拓地もいろいろとは思いますが、広大な耕作地には縦横に水路がめぐらされ、海との境界に築造された堤防際には少し幅広の水路が設けられています。 多くの水鳥がここで羽を休め、気ままに耕作地へと食事に向かう拠点となっています。

そして堤防の外に広がる海。 日頃から私たちの訪れる干拓地はみな有明海に面しています。 潮の満ち引きにより刻々と変わる景色、群がるトリたちの様子。 青い海、潮が引いて黒く輝く広大な干潟、そして深紅の夕日。 

季節は廻り、鳥たちも巡ります。 

 

 

■ 2024年1月2日 珍客を訪ねて 

 

珍しいお客さんに会えるかもしれない・・・ ということで南へ足を向けました。 「偶然の出会い」というのが最もドラマチックで最高ですが、積極的に追わなければそれこそ一生会う機会が無いケースもあります。 出会える保証などはありませんが、とにかく行って来ました。

 

ジョウビタキ

オオジュリン

水面を走って逃げる オオバン

酒面(さかつら)雁。 そんなトリを見る機会があるとは思っても見ませんでした。 名前の由来など調べましたが、そうかなぁ? と不思議な感じもします。 英名は Swan Goose、こっちももう一つピンときません。 が、さほど遠くもない距離で観察していても動じること無く、気にするそぶりが感じられないところなど、ハクチョウ に似ているカモ。 カルガモ なら即逃げ、マガモもけん制しながらじりじりと距離を取ろうとするくらいの距離での撮影となりました。 日本では最大級の雁ということでした。

単騎、迷い込んでしまった様で連れが居ないのは何だか寂しそうでもありますが、カモたちに囲まれながらも悠然と休む姿を撮影させてもらいました。 
先日は宮城出張で多くの雁たちに出会ったばかり。 その時に観察した ヒシクイ にもよく似た地味な羽衣。 ほとんどの時間を一本足で顔を胴にうずめて休んでいましたが、時おり顔を上げます。 そして数回に一度、羽を伸ばしますので急いでシャッターを切ります。
あまり邪魔もできないのでそろそろお暇を・・・ とその時、羽ばたく気配で慌てて再撮影。 最後は水に入って泳ぐ姿も見ることができました。 

 

今年はどんな一年になるでしょうか。 どんな出会いがあるでしょうか。