耳を澄ませば コゲラの巣づくり 2021年 5月30日

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コゲラの巣づくり

せっかくの休日、梅雨の晴れ間を惜しみ、金峯山へ足を向けてみました。 

「山頂にいる、あの人なつこいヤマガラにでも会いに行こうか・・・」

くらいの感じで訪れてみました。

 

が、山頂はけっこうな賑わい。

ヤマガラくんの姿は見かけましたが、餌付けをお目当てに来ている子どもたちを押しのけるような大人げないマネもできず、あえなく撤退。

 

そんな帰り道、忙しそうに巣穴をつくるコゲラに出会いました。

コゲラがエサを採るために木をつつく音は大きな音でもありませんが、今日はまた少しくぐもった様な音。

その理由はコゲラを見つけて分かりましたが、すでに大きくあけられた木の穴、またその中をつついているためでした。

 

コゲラは夢中で仕事を続けます。

穴の奥で木をつつき、そして、木くずを外に捨てる。

もともとさほど人の姿を気にしないように感じるコゲラですが、同じ場所で仕事を繰り返す分、じっくりと様子を見ることができました。

 

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巣穴をつくるってことは、これから子育てシーズン?

仕事は一羽で進められておりますので、この巣穴でメスにアピールするのでしょうか。

 

巣作りもどうやら仕上げの段階に入っているようです。

彼がまき散らす おがくず が木漏れ日でキラキラと光ります。

 

■撮影地 : 熊本・金峯山 山道

 

 

カモ図鑑をつくろう! fig. 15 オオバン

 和名 【 オオバン 】 英名:Coot 

 クイナ科 オオバン

 

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額板の白、黒い羽衣、真赤な虹彩 エメラルドグリーンの湧水で

いろいろな場所で、出会うことの多い オオバン

彼らが ”カモ” かどうかは、まあいいんです、水辺の風景に欠かせない存在ですので。

 

全体を真っ黒な羽毛に覆われ、鼻梁を額まで覆う様に伸びた白いクチバシ部(額板)、そして真っ赤な眼。

コンテンポラリーなその姿、一度見れば忘れない存在感があります。

外見で雌雄の判別は難しい様です。

 

潜水が得意で、浅瀬ではなく水深のある水場で観察することが多い様に思います。

オオバンもいろいろと眺めているとややグレー掛かった黒も見られるようですが、調べてみれば 「若いうちは羽衣が淡色」 という事でした。

また若鳥は白い額板も小さ目で、次第に大きくなるということです。

 

私は黒い鳥が好きですが、この 黒・白・赤 の鳥を初めて見た時のインパクトは大きく、カモたちに混じって頑張ってエサをとっている風景が大好きです。

カモを大別して 潜水系 と 非潜水系 に区別する手法があるようですが、オオバンはカモとは種が異なりますが、間違いなく潜水系。

カイツブリほどではありませんが、浮上するまでそれなりの時間があります。

 

私の周辺では ヒドリガモ といっしょに過ごしていることが多く、潜り上手のオオバンはいつも ヒドリ や オカヨシ などにマークされており、浮上のたびに獲物を横取りされています。

不思議と嫌がる様子も無く獲物の水草などをシェアしており、むしろ オオバン 同士がよく小競り合いをしているように見えます。

そんな時に発する鼻にかかったような独特の大きな鳴き声、水辺の風景に無くてはならないBGMです。

 

カモとの違いで、資料でよく目にするのは 離水(テイクオフ) の仕方。

写真ヒトコマのに助走のステップが記録できる様な滑走は凄いコトですが、助走無しで垂直的にテイクオフするカモたちもそれはまた相当なもの。

垂直離陸のカモたちには ”水かき” のヒレがあり、オオバン にはそれがありません。

その辺りがテイクオフの仕方にも関係している様に思えますが、どうでしょうか。

いずれにせよ、ヒトにはできない芸当です。

 

 

当地では春の訪れとともに数が減っていきますが、居残り組も見られ、私的にはいっしょに過ごす時間も長い オオバン

その分、行動観察がはかどります。

バン などもそうですし、もちろん一部のカモも同じ行動をとりますが、公園などでは群れで丘に上がって採食している場面によく出くわします。

 

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アメリカヒドリにマークされるオオバン 2020年11月 熊本 江津湖

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2021年 4月 熊本・浮島神社 美しい水・美しい鳥

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2021年 1月 熊本・浮島神社

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水草を好んで食べています

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若い成鳥、淡い羽衣 2021年1月 横浜

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テイクオフの水面滑走

 

水辺の風景 熊本市・白川 2021年 5月22日 続・サギのいる風景

いつ訪れても、それなりに楽しませてくれるサギたち。

ついに単騎でさえもほとんど出会わなくなった カルガモマガモ に替わり、近ごろはめっきりサギ観察にはまっています。

 

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4種類のサギたちがどうしても取りたいエサ場のポイント

増水して流れの激しくなった川、本日などはいくぶん水位も下がったように見え、ここの他にも狩場はいくらもありそうな気がするのですが。

相変わらずこのポイントに皆さん固執しています。

写真のシルエットは左から ゴイサギコサギダイサギササゴイ です。

 

本当にここで魚が取りやすいの?

どうやら取りやすい様で、獲物を捕らえたシーンを一枚。

 

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サカナを捉えた ダイサギ、背後に迫り来るのは アオサギ

その背後に アオサギ が一羽、にじり寄ります。

急いで獲物を飲み込んだダイサギは、アオサギに場所を譲りました。

ただ アオサギ はコーナーの守りが甘かったようで、ふわりと川面を舞った ダイサギ は改めてコーナーを奪取、特等席を確保します。

 

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アオサギに特等席を追われるダイサギ

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すかさず陣地を奪い返し、1st・ダイサギ、2nd・アオサギ

 

体の大きさも互角ですので、ダイサギアオサギの攻防はイーブンと見えます。

が、他のサギたちはそうもいきません。

 

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出番をうかがう 3rd・ゴイ と 4th・ササ

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ゴイサギコサギ。 2種はほぼ同格か。

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圏外へ退避中 ササゴイ なかなか取り付けない

 

時に笑えるサギたちの攻防。

ダイサギコサギ では実際に獲物を捕らえるシーンも見ていますが、ゴイ と ササ が捕えるところは見ていません。

じっと動かずに水面を見つめている時間は、けっこう長いのですが。

 

ところで、アオサギ は 「いくら何でも、それは無理だろう?」 というサイズの魚を呑み込んでみせたシーンがありました。 

数日前の撮影ですが、それがこちら。

 

 

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サギ は カモ よりも大きく、飛翔もふわりとして撮影が楽しい鳥たちです。

そのわりにはパキッとした絵が抑えられないのは、ひとえにスキルの問題。

夕暮れは暗い・・・ とか言い訳はいろいろありますが、撮影していると時間を忘れてしまいます。

いつか橋の上から、滑空する彼らを 「僅かに見下ろす構図」 で撮ってみたい・・・

今日も帰りに寄ってみよう。

 

 

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■撮影地 : 熊本市南区 白川河川敷

 

水辺の風景 熊本 ~ 氷川・河俣川・川辺川・人吉 2021年 5月23日 瑠璃色の鳥

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響き渡る美声・・・ 君の名は?

川辺~球磨川の風景を目に焼き付けたくて、梅雨の晴れ間を利用し遠出しました。

美しく澄んだ水の流れを求め、氷川・河俣川から川辺川、そして人吉の球磨川までたどるコースを選びましたが、先日の大雨の影響が道中、至るところに見られます。

河俣川は比較的澄んだ明るい水の景色を見せてはくれましたが、それでも少し白濁した様子、その先の川辺川となるともう濁流の様相。

また、川岸に降りてみようと分け入ってみた道はことごとく通行止め。

そこかしこに規模の差は有れ、土砂が崩れた跡や鉄砲水の形跡が残ることを見れば、かなり危険な箇所が多くあることは容易に想像できます。

 

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瀬に頭を出した岩にとまる キセキレイ 河俣川の水は透明

 

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緑に覆われた小さな古い石橋

 

川辺川付近の散策をあきらめ、人吉城跡に辿り着きました。

が、数年前に訪れた時とは景色が違っています。

2020年7月の九州豪雨、人吉は球磨川の氾濫で大きな被害が出ましたが、まだまだその爪痕が残る街並。

城跡も例外ではなく、そこかしこに立ち入り禁止のロープが張られ、人が訪れず手入れも行き届かない城内には夏草が生い茂ります。

それはまたそれで趣深い情景ではあるのですが、ここ九州に限らず水害は過去のイメージでは無く、年を追うごとに被害が拡大する危機のイメージそのものです。

 

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夏草や 兵どもが 夢のあと

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毛づくろいするスズメ

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幼鳥と遊ぶヤマガラ

 

帰路は高速道路を利用しようかと考えていましたが、同じように川筋を辿って帰ることにしました。

途中、何度か川面を見下ろせる場所などに立ち寄りながら、のんびり帰ろう。

 

河俣川の川沿いで車を止め、外の様子をうかがうべく降りてみると、谷筋に響き渡るひと際美しい鳥の声。

「近いな・・・ 居るよ」

 見上げると、電線に小さな鳥が止まって鳴いている姿がありました。

空をバックにしていて最初は判らなかったのですが、ファインダーを通して見たその姿は鮮やかな瑠璃色。

それからしばらくの間、その鳴き声を堪能しながらシャッターを切りましたが、独唱はかなり長い時間繰り返されます。

森での小鳥の撮影などはタイミングの 瞬間勝負 ってことが殆どですが、こんなに長くゆっくり撮影させてもらえるなんて、それもBGM付きで。

 

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オオルリの独唱姿

 

車の中で調べますと、青い鳥の正体は オオルリ ということが分かりました。

予期せぬ出会いでしたが、瑠璃色の鳥との出会いは嬉しいもの。

山の夕暮れは早く、まだ暗いとも思いませんでしたが、ファインダー内に表示される ISO 表示がかなりの数値に跳ね上がっていましたので、撮れても粒子の粗い絵になるかと心配でしたが・・・

まあ記念として楽しめるくらいには撮れており、安心しました。

 

 

カモ図鑑をつくろう! fig. 14 ホシハジロ

 和名 【 ホシハジロ 】 英名:Eurasian Pochard 

カモ科 ハジロ属

 

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オス 2021年 荒尾市

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メス 2021年 1月 横浜市

私的にはさほど出会う事の多くない種ですが、見られる場所へ行きさえすれば出会える種かもしれません。

横浜はでそれなりの群に、熊本では大き目の池で数羽を見かけましたが、いずれの場合もキンクロハジロを一緒に確認しております。

生態が近いのカモしれません。

 

オスの特徴的なカラーリングは 頭部の赤茶色、それ以外は白と黒の羽衣です。

オスの眼は金色ですが、メスはまた雰囲気が異なります。

初めて見た時はメスの認識が無く後から知りましたが、ワイルドな雰囲気のオスに比べ、メスはキュートでチャーミングな風体です。

 

いわゆる ”海ガモ” の分類になるのでしょうか、水深のある大きな水面で出会っており、浅瀬や葦原などで見かけたことはありません。

 

まだまだディテールも不足した掲載です。

機会があれば更新していきたいと思います。

 

 

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オス 2021年 1月 横浜市

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2021年 1月 横浜市

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水面で休息する群 キンクロハジロもいっしょ 横浜市保土ヶ谷区

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2021年12月 大濠公園



水辺の風景 白川 2021年 5月19日 ゴイサギ と ササゴイ

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瀬に佇み動かないゴイサギ

どうやら ゴイサギ の季節が到来したようです。

先日までは シラサギ ばかりだった、白川の川辺。

もしかしたら梅雨入りと川の増水も関係しているのかもしれませんが、頻繁に ササゴイゴイサギ に出会うようになりました。 

 

私が川辺を見渡しに立ち寄れるのは、いつも夕暮れの時間。

仕事を放り出し、帰路に立ち寄るのですが、撮影には少し光量不足の悪条件です。

ただ、夕暮れ時は ゴイサギ たちが活発な活動を始める頃。

ゴイサギ の英名はずばり ”Night Heron”。

夜間の行動を撮影するのは難しいでしょうから、この時間帯がベターとも云えます。

 

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ササゴイ は単騎で活動中、羽の紋様がよく見えます。

 

しばらく橋の上からササゴイを眺めておりますと、大きな飛影、数羽が飛来。

舞い降りる瞬間をとらえることができず残念でしたが、やって来たのは3羽、ゴイサギ の小さな群でした。

これでゴイサギは場に 計・4羽、ササゴイが1羽。

嬉しいことに、この小さな三羽の群れの中に、まだ ホシゴイ と呼べる羽衣をまとった若鳥がいました。

 

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ホシゴイ

ゴイサギ は何とも表情豊かでユニーク。

これからしばらくの間、彼らが目を楽しませてくれそうです。

 

■撮影地 : 熊本市 南区

 

文房四宝 和硯特集

文房具のコレクションをお預かりしております。

文具と云っても、いわゆる 「文房四宝」、筆・墨・硯・紙 に加え、座辺に用いる文房諸具のことですが、それらは古く中国に起こり、ひとつの文化として発展・伝搬されてきました。

 

「硯」 はもとより墨を摺るための書道具ですが、多くのものがそうであるように、用を超えて愛玩される 美術工芸作品 として、更には希少な材料、硯においては希少な原材石の価値を備えるものとして、巷では盛んに評価や売買の対象となっています。

 

私がただ今、手に取って眺めているのは 「和硯」、日本で採石され作られた硯。

日本における硯の文化も、もちろん大陸からの伝搬を起源とします。

古くは 陶製 の硯を用い、後に端渓などの優れた資質を備えたものが伝搬すると、国内でも優れた材料を探し求められる気運が高まります。

 

多くの硯材が見いだされて作硯伝承され、また或いは小さな鉱脈は枯渇もし、現在に至ります。

硯(材)を評価する文化は古く、本歌の大陸でも時の文人たちにより常に品評され、文献資料として残っているようですが、現代の日本に於いてもそれは変わりません。

今回お預かりした和硯、蒼龍石 や 若田石、虎斑石 などは常に 「国産屈指の」 「端渓に優るとも劣らぬ」 と評される選りすぐりです。

 

 

●硯における ”石の評価” について

硯には明快な用途があるものですので、まずはその機能性が評価されます。

良い硯(材)の条件などは何を見ても

・墨あたりが好いか

・磨墨が速やかで発墨が好いか

・洗うに墨落ちが好いか

・均質かどうか

などとなります。

ヒトの感覚はあてにならない部分も多い反面、時に上質なものに触れ、それを使ってみて知るその 優 に驚く事もあるでしょう。

好い硯は 「墨を ”擦って” いる感が無い」と云われますが、中国の 端渓石 にせよ国産の 蒼龍石 にせよ、その資質を充分に備えた材料であることは間違いの無いことでしょう。 

 

その前提があってなお、さらに質の話は奥へと向かってゆきます。

例えば蒼龍石。

昭和20年代終わりに 硯石 として見いだされ、その後に採掘が始まります。

私はもちろん採石場に足を運んだこともありませんが、「和硯のすすめ」 を著された石川二男氏の言葉をかりますと

「 荒谷の沢を挟んで左が蒼龍石、一メートルほど右側の新坑の硯石を作硯していた中村市口鴨川の坂本賢造氏(号・一水)の作品が 「土佐硯」 の商標で・・・(中略)

・・・中村氏は土佐硯から離れて 「中村硯」 の商標で別途販売することになった。」

「蒼龍石新坑とは荒谷沢右側の坑、その左側の坑を蒼龍石旧坑としてきたが、昭和四十三年以来絶えて久しく採石されなかった旧坑を、最近、坂本賢造氏が復活する事となった。」 

という様な、混沌とした状況がそこかしこに出て参ります。

同じ商標の硯であっても 新坑・旧坑、またそれらのストック材などは何年分も確保されている訳で、その判別は一朝一夕には成りません。

ただ、優れた作硯家たちは供給される材から選び、できるだけ優れた材を自作に用いますので、商標・ブランドにおける材の質は安定するものです。

それでも、やはり谷の右と左では鉱脈の質は違うでしょうし、脈質は一定ではなく詳細な組成や不純物の含有量も違うわけです。

  

このような話、中国の端渓硯などは高額で取引される故に、さらにシビアなランク付けや評価があるわけですが、中国の混沌というものは潜在的にスケール感が異なります。

それを想いますと、売る方も、また買う方も、日本の物は好いな・・・

などと思うわけですが。

 

 

 

●●●● ●●●● 出品和硯のご紹介 ●●●● ●●●●

ご紹介の硯は ヤフオク で出品しております。

どうぞご覧下さい。

auctions.yahoo.co.jp

 

 

【 SY-112 蒼龍硯 】*****************************************************

 

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こちらは高知県に産する 蒼龍石 の硯、橋本耕雲 の作硯です。
本品の裏面には 「蒼龍石」 と銘が刻まれており、オリジナルのしつらえから 橋本耕雲 氏の作硯と判っております。


端正な長方の形状、硯面全体に墨堂はごく浅く凹が施されております。
硯面は漆黒、硯側や僅かに覗いた製作生来の欠損部から石の表情をうかがい知ることができます。
実用というよりも硯板に近く、銘材の見せる表情や感触、品質を存分にお楽しみいただく作例かと思います。

職人・橋本耕雲氏は大正2年・徳島生まれの作硯家。
本品には 昭和54年 までの経歴書が添付されております。

 

 

 

【 SY-118 中村硯・その1 】*****************************************************

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裏面に 土佐一水 の銘が刻まれております。
「中村硯」 は高知県に産する銘石、所謂 「蒼龍石」 を材とし、一水工房・坂本賢造氏(初代・一水)の手による作品です。

本品は小ぶりで薄いつくり、小筆・仮名の用に好さそうな硯です。
植物の実でも模したものか、大らかな曲線に僅かに加えられた変化が目にも優しい佇まい、気品を備えた作です。
全体を完全に磨き切ることをせず、割肌の風をごく僅かに覗かせておりますところなど、硯は単なる道具ではなく石をも愛でるものであることを感じることができます。

 

 

 

【 SY-125 中村硯・その2 】*****************************************************

 

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本品は一水工房・坂本賢造(初代・一水)氏の手による作品です。
個々の形状や石紋など、原材料の持つ個性から起想し、作家氏が一つひとつ硯として形づくるもの。
同じものの一つとして無い個性をお楽しみいただけます。

端正な長方形の硯とは対極的な容貌、荒々しさと繊細さをともに備えた作は眺めて飽きることがありません。
また本品は 一材 から同時に蓋が削り出されており、一層興味深い姿を楽しむことができます。
蓋に磨き出された美しい石紋も特徴的で美しいものです。

 

 

 

【 SY-126 中村硯・その3 】*****************************************************

 

 

 

 

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一水工房・坂本賢造(初代・一水)氏の手による作品です。

本作は切出された辺材の特質を活かし、半直線的な容姿に生来の石肌が混在するユニークな表情を併せ持ちます。
さらに 表裏両面 が硯として彫込まれ、用いる楽しさもひとしおです。

 

 

 

 【 SY-586 対馬・若田硯 】*****************************************************

 

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対馬は国内屈指の硯石産地、優良な硯としての資質を備え、また脈中に織り成される石紋の美しさを活かした優品が多く見られます。
産地の硯は天然石の材なりに、姿かたちを活かしてつくられる作風が多く見られます。

本品も天然の風を存分に備えつつ、端正で美しい姿の作品です。

本作は適度な緊張感を備えた姿、縁や硯側に見られる繊細な石紋の表情と、硯面の漆黒が織り成す 静と動 の変化が趣深い作品です。
縁の石紋は鮮烈で美しいものですが、それにも増して、硯面の緻密で繊細な石感には強い魅力を感じます。
 
裏面には 「対馬若田硯・寿人作」 の文字が刻まれております。
使用時に見ることはできませんが、硯裏面の表情も豊かです。


  

 

 【 SY-109 高島・虎斑石 】*****************************************************

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こちらは滋賀県近江の古い硯石産地、高島の硯。
当地で産出する石質の中 「虎斑石」 と呼ばれる名材で製作された硯です。

材なりに天然の風格を残した作りとなっており、盤面の隅から硯側へかけて錆を噛んだ表情は独特です。
石質の異なる部分を硯面に用いることはあまり一般的ではありませんが、作家・泰石氏が石本来の表情を残し作硯された様子が想われます。
裏面には 「高島虎斑石 泰石・作」 の文字が刻まれております。
親水のしっとりとした表情をどうぞお楽しみ下さい。