和名 【 オオバン 】 英名:Coot
クイナ科 オオバン属
いろいろな場所で、出会うことの多い オオバン。
彼らが ”カモ” かどうかは、まあいいんです、水辺の風景に欠かせない存在ですので。
全体を真っ黒な羽毛に覆われ、鼻梁を額まで覆う様に伸びた白いクチバシ部(額板)、そして真っ赤な眼。
コンテンポラリーなその姿、一度見れば忘れない存在感があります。
外見で雌雄の判別は難しい様です。
潜水が得意で、浅瀬ではなく水深のある水場で観察することが多い様に思います。
オオバンもいろいろと眺めているとややグレー掛かった黒も見られるようですが、調べてみれば 「若いうちは羽衣が淡色」 という事でした。
また若鳥は白い額板も小さ目で、次第に大きくなるということです。
私は黒い鳥が好きですが、この 黒・白・赤 の鳥を初めて見た時のインパクトは大きく、カモたちに混じって頑張ってエサをとっている風景が大好きです。
カモを大別して 潜水系 と 非潜水系 に区別する手法があるようですが、オオバンはカモとは種が異なりますが、間違いなく潜水系。
カイツブリほどではありませんが、浮上するまでそれなりの時間があります。
私の周辺では ヒドリガモ といっしょに過ごしていることが多く、潜り上手のオオバンはいつも ヒドリ や オカヨシ などにマークされており、浮上のたびに獲物を横取りされています。
不思議と嫌がる様子も無く獲物の水草などをシェアしており、むしろ オオバン 同士がよく小競り合いをしているように見えます。
そんな時に発する鼻にかかったような独特の大きな鳴き声、水辺の風景に無くてはならないBGMです。
カモとの違いで、資料でよく目にするのは 離水(テイクオフ) の仕方。
写真ヒトコマのに助走のステップが記録できる様な滑走は凄いコトですが、助走無しで垂直的にテイクオフするカモたちもそれはまた相当なもの。
垂直離陸のカモたちには ”水かき” のヒレがあり、オオバン にはそれがありません。
その辺りがテイクオフの仕方にも関係している様に思えますが、どうでしょうか。
いずれにせよ、ヒトにはできない芸当です。
当地では春の訪れとともに数が減っていきますが、居残り組も見られ、私的にはいっしょに過ごす時間も長い オオバン。
その分、行動観察がはかどります。
バン などもそうですし、もちろん一部のカモも同じ行動をとりますが、公園などでは群れで丘に上がって採食している場面によく出くわします。