珍品をどうみるか --- PARKER 52 デモンストレーター万年筆 ---

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旧品を含め、多くの万年筆を見てはきましたが、判らないものが一つ。
いまの世界、多くの疑問は瞬時にインターネットを利用することで答えを得ることができますし、これもすぐに判明すると思っていたのですが。
 
万年筆の名称としては ”PARKER 52” と云うことになるでしょうか。
ボディーの刻印が ”PAKER 52” となっており、何だか調子が狂ってしまいますが、そのつくりは間違いのない精度のある製品です。
 
ボディーに透明パーツが組み込まれているため、メーカーがプロトタイプとして製作した販促用デモンストレーターの可能性が高いと思いますが、その透明部分を透かして見える内部のダイナミクスはありませんので、それも不思議の一つ。
もう一点、軸尻に付けられた輪線の小さなパーツも、もう一つ意味が判らないのですが、補強か、はたまたデザインか。
 
とにかく刻印の多い個体で、外観からいきますと、メタル製のキャップエンドには、当たり前ですが 「PARKER」 の文字。
そして濃茶樹脂製の軸には、問題の ”PAKER52 NEWSTYLE” の彫り込み。
キャップを外しますと、金属製・重量感のある首軸カバーに ”R14K” は14金ロールフィルド。
それを回し外すと当時PARKER独特の小さなニブが顔を出し、その刻印は ”PARKER K14S”。
軸を外しますと、内部に収められた真鍮色の、当時のPARKERによく見られるスポイト・プッシュ式のインクフィラー機構が露れますが、ちょうど透明パーツを透かして外から見える部分に、非常に見にくいのですが、 ” PT NO. ******* PARKER MADE IN USA” の刻印があります。
 
この万年筆、キャップ時の全長が 139ミリほどでしょうか、長めかなとは思いますが、
金属をふんだんに使用しているせいか、重量感があります。
それも書き心地に影響するものか、硬質で品の良い書き味は好感が持てますし、使ってみたくなるものであるのは、単に惚れっぽい自分の性格でしょうか。
 
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■軸尻にはかわいいパーツ
 
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■R14Kのフードを外したところ
 
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■問題の PAKER 52 はここ、スペルミス?