九州に居ると、放射線の影響についてニュースなどで見聞きしても現実的な切迫感がありません。
売れることはないと思いましたし、事実そのようです。
今回たまたま横浜へ数日滞在する機会がありましたので、本機を首から下げて試用してみました。
出発前、まずはここ熊本での、いつもの生活。
線量計の数値はゼロのまま、数日経っても変化は無し。
【2011年11月3日】
飛行機での移動日、初めて計測値が動いたのは空港のゲートでのこと、これは想定の範囲内。
ただこの時は本器を首から外して手荷物の中に入れてしまったのは、失策。
測定するものですので、すっと身に付けておくのが正しい使い方。
ゲート通過後の測定値は 【0002μSv(マイクロシーベルト】 、飛行機内でチェックした際には
【0003μSv】 と、1ポイント上がった理由は不明。
眺めるなど寄り道し、JRで目的地・保土ヶ谷の実家へ着いた時点での計測値は 【0003μSv】 、
就寝時にはその値が 【0005μSv】 になっている。
う~ん、見えないけど、やはり在るのだ・・・。
分かりませんが、住人たちはそう思っていると思います。
特筆するとすれば、天下の大動脈 【国道1号線】 がすぐ脇を走っているくらいでしょうか。
【11月4日】
線量計を常に身に付けてはおりましたが、ずっと横浜にいたわけではありません。
湘南・鎌倉方面へドライブ後、夕方6時頃には横浜へ戻りました。その時点での計測値は 【0007μSv】、
朝方の数値と変わらず。
【11月5日】
法事のため線量計は携行せず、ずっと家の中に据え置きました。
帰宅時、4時頃の計測値は 【0010μSv】 、やはりじわじわと増えていきます。
その後の外出は無く、ずっと部屋内での計測。
【11月6日】
熊本へ帰る日、羽田のゲートでまた 2ポイント 計測値が上がり、JALの機内でのメモは 【0014μSv】。
ここまで見れば、横浜の実家マンションでの生活は、僅かながらも通常自然界で受ける
以上の放射線を浴びている、ということになるかと思います。
たったこれだけのレポートですが、1日にすれば 【3~4μSv】 というところでしょうか。
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「以上、試用レポートでした」 と、結ぶつもりだったのですが、事はそんなにシンプルでは
ありませんでした。
こちら熊本へ戻り、通常の生活を送っているわけですが、その後も計測値は増え続けており、
12月の初め、計測値が 【0070μSv】 を超えたあたりで、内臓の電池が力尽きました。
線量計を身に付けてオフィスへ行ったこともありますが、その殆どは自宅へ置き放しの状態で、
計測値は着々と上がっていきます。
これはどう考えれば良いのでしょう?
すれば、私はそれを身にまとって帰ってきた、ということでしょうか。
自身はもちろん入浴もすれば洗髪も致しますし、身に付けていた服も洗濯し・・・
おっと、ジャケットなどはそのままクリーニングにも出していないし、持っていたボストンバッグや
靴も、もちろんそのままでした。
そういうことなのでしょうか?
あくまでもレポートとし、専門家でもないので考察は避けるつもりです。
本器は累積の被ばく量を計測するものですので、例えば放射線技師の方が職場環境で
管理値を超える被ばくをしないようにする、などの目的で開発使用されております。
でも実際に累積値が増えてゆくのを見れば、次に確認したくなるのは 『許容値』 とか 『基準値』 といった、
『いったいどれくらいの量までは健康被害が無いのか?』
というテーマになるでしょう。
長い年月を要するわけで、例えば関東へ頻繁に足を運ぶビジネスマンであったり、当地からの
荷物を常に受けとる物流関係者なども、拠点が関西や四国九州であったとしても 『全く関係無い,
遠い向こう側の話では無い』 ということを強く感じました。
なお、根本的に深刻なテーマが対象ですので、本稿に不適切な内容などございましたら
ご指摘などいただけましたら幸いです。
■試用器
電子ポケット線量計 マイドーズミニ PDM-122
ALOKA/日立アロカメディカル
※現在・最新版の品番は PDM-122B となっております。