鳩、来る。 -- その1 --

年の瀬、日曜日。
朝寝をむさぼっていると携帯電話がなり・・・
昼から出社することに。
ああ、忙し。
 
会社に着くと、南向きの倉庫シャッターの前、陽だまりにうずくまる白い鳩が一羽。
まるで自分が来るのを待っていたかのように。
近寄っても、動かず。
これは深刻だと、すぐに悟りました。
 
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頭に最近のものと思われるキズを負い、目のまわりにかなり炎症が見られますが、
その他の外傷は無く、おしりもキレイ。
ただ、もうあまり気力が無いらしく、まぶたは半開きで、逃げることもしません。
 
何か、食べさせなければ・・・
もちろんハトえさをついばんでもくれませんでした。
家に連れて帰り、豆乳を温めて雛用の食事をつくり、無理やり口に入れたのは
ほんの僅かな量でした。
ただ・・・ くちばしを水に押し付けた時には、かなりのどが渇いていたらしく、
それこそゴクゴクと音が聞こえるようで。
なんて美味しそうに、飲むのでしょう・・・
その姿が今も脳裏を離れません。
 
結局、私がしてあげられたことは、それくらい。
無力、ですね。
とにかく暖かく、寒くないように・・・
 
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これで何度目でしょうか、小さな生命が逝くのを見送るのは。
いつも思うのですが、小さな命の炎が少しずつ小さく小さく、そして静かに、眠るように消えてゆく様は感慨深く、命のはかなさや尊さを覚えずにはいられません。