旅のハプニングは   --- フランス・列車の旅---

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■車窓を流れる早朝の景色 


近頃とんと海外旅行をしていないので、なんとも切ないほどに旅愁におそわれることがあります。
少し前に訪れたフランス旅行の写真を眺めていると、中に数枚、何とも優雅な客席に身を沈める自分の写真や、車窓からの流れる景色の写真を見つけ、その時の事を懐かしく思い出しました。

海外旅行につきものなのが、ハプニング。
ヨーロッパなどへ出かけると、必ずといっていいほど、日本ではあまり遭遇しない事態に直面します。

イタリアでは空港へ向かうバスのストライキ (間に合わないじゃないかっ!) で途方に暮れたり、列車の社内で警官の職務質問を受けたり。
振り返ればどれも楽しい思い出ですが、その時は真剣モード、冗談事ではありません。
この時は、結果的に ”良いおもい” をしたともいえますが、フランス鉄道SNCFでの出来事。

Baccarat へ行こうか!
妻と二人で早朝 Paris EST から 乗り換えとなる地方都市 Nancy へ向かう早朝の列車を
事前に日本でインターネット予約。
既に数年前のことですので、現在は更なる処かもしれませんが、本当に便利な時代です。
ただ、その予約を確認するものが、日本でプリントアウトしておいた、インクジェット出力の紙一枚、というのが頼りなく、とてつもなく不安であったことも覚えています。
(何事も無ければいいのだけど・・・ トラブルの予感?)

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■写真 : 皮製リクライニングのゆったりシートで

 

まだ暗い駅舎でしたが、そこはパリ、それなりに多くの人々が行き来する中、ボードで列車を確認し、そのプラットホームを探して列車を待ちます。

列車が入って来て、いざ乗車をと思いきや、予約していた車両(ナンバー)が、いくら探しても見つけられません。
手元の予約票では、我々の目指す車両は「14号車」となっていました。
ずいぶん長い列車だなと、ホームを延々と先まで歩き、いざたどり着くと、13号車の次が何故か15号車に。


「そんなことがあるワケが無い!」 と改めて確認しますが、14号車が無い!
仕方なく、イヤだけど駅員さんに相談すると、何と予定していた列車は変更になり、
違う列車車両が入ったために目指す客車は無い、とのこと。

オイオイ、何の都合か知らないが、そんなの替えんなよ! というのは日本的な発想か。
『だったら、何処に座れば良いの?』 と相談すると、『ここなら他に予約が無いからOK』 と送り込まれたのがファーストクラスの客車でした。

パリからナンシーまで、特急でも2時間40分くらいはかかる長旅、「こりゃ、いいや!」 と嬉しい反面、またあとで車掌ともめるのはイヤだなぁ、という不安を胸に、快適な列車は無事私たちを目的地へと運んでくれました。
検札にきた車掌さんは、私たちのチケット(A4のプリントアウト) を一瞥し、眉をわずかに上下に動かしたのみ、何も云わずに次の車両へと向かって行きました。

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  ■写真 : まだ暗い早朝のホーム