お店泣かせの受注生産品  --- セーラー・煤竹長刀研万年筆 ---

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竹は古来から日本人に親しんで用いられてきた材料の一つですが、
実際、万年筆の軸としても好ましい材料だと思います。
しかし現実には、現代の工業生産品としては材料のあばれからくる精度の問題、材料の選定など、手作業に頼らざるを得ない部分も多く、技術的に難しいところもあります。
 
この 「すす竹万年筆」 は、京都の古民家から採った ”古材” すなわち 「煤竹」 の持つ
円熟の風合を活かすことで、他に類を見ない仕上がりを実現しています。
”材料有りき”のものですから、軸は可能な限り真円に近い同寸の部材のみを選び、現代製品として満足できる精度へ、一つひとつ加工、仕上げが施されて完成します。
開発以来、セーラー万年筆の誇る現代の名工、長原宣義氏が丹精込めて世に贈り続けているモデルとしても知られるところです。

本品は入荷するたびに別モノのような表情のペンに仕上がっており、色味、素材の地紋様、太さ長さ、そして節の有無まで、製品に一つとして ”同じモノ” はありません。
売る側としてはいろいろと面倒な要素があることは否めませんが、それぞれの個体差を楽しめる・・・ というのがこの万年筆の大きな特徴です。
 
受注生産品ですので、メーカーさんへ発注し、入荷するまでどんなものが来るのか
わからない・・・ 
であれば、基本的には入荷した固体を見ていただいて、お買い上げいただくのが良かろうと思っておりますが、高価なものですし、そうおいそれと発注もできす・・・。
 
そのような難しい条件にも関わらず、いつも手元に在庫を置いておきたくなるような・・・、
強い魅力に溢れた万年筆であることは、認めないわけにはいかないようです。
 
 
 
 
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