番外編  --- クワガタは何処へ行く?---

イメージ 1
 
 
”飛ぶ” という以外の共通点がなく、”トリ” テーマのカテゴリーではどうかと思いますが、昨夜ふと考えた (と、いいますか、以前からかなり悩んでましたが) 昆虫のお話です。
 
数年前まで横浜に在住しておりましたが、毎年決まって初夏の頃、夏を感じる気温と少し強い風が吹く一日、マンションの開放廊下にコクワガタが飛来しました。
我が家は菊名という場所にあり、まわりは見渡す限り、コンクリートの建築物とアスファルト舗装、一体何処からこいつはやってくるのか?
 
おそらく ”風の強い日・・・” というだけではなく ”南風” とか、方向性の法則はあったのでしょう。
ちょっと鳥瞰してみれば、そうですね、三池公園など森といえるものも在り、近いといえばそういえるかもしれません。
あのチビのクワガタくんは、いったい上空どれくらいの高度を経てくるのでしょうか?
 
 
帰宅すると、マンションの我が家の玄関前に、クワガタがいる。
今年も来たか・・・ などと思いながらとりあえず身柄を確保・・・
ここで、考えてしまいます。
どのような選択肢がある?
 
一つの方針は、放置 または見なかったことにする、というもの。
この都会のマンションの廊下で、こいつ、明日から生きていけるんだろうか?
という疑問が当然沸き起こります。
 
二つ目、とりあえず長旅の労をねぎらうべく、お食事などご用意して一泊だけでもどうですか?
と薦めてみる。
これは、多少の自己満足も手伝って、なかなか良い案にも思えるのですが、次の日に課題を先送りすることに他ならないのは、ご想像の通りです。
一体どこでこいつをリリースすればいいんだ?
という、明快な課題が残り、解決せぬまま日を重ね、いつしか季節が変わってしまう、
なんてことにも。
 
で、あれば・・・ 三つ目の方針、ここで出会ったのがご縁だから、と部屋をご用意する。
気の済むまで (というか、季節が変わるまで) ここで暮らしなさいよ、 
という、運命論を押し付ける方法。
 
* * * * * * * * 
 
実は、折衷案みたいなものもありまして、それはとりあえず仮箔してもらい、週末にでも三池公園に放しに行く、というもので、妙な満足感は伴いますが、その森にコクワガタが生息する環境があるという保証はありません。
でも、炎天下にアスファルトコンクリートの上でぼんやりしてたら (どこかに潜るとは思いますが)、一日と持たないことを考えれば、納得のゆく解決案、”やれることはやった・・・” です。
 
数日のご縁でも、別れはつらいもの。
放すのは樹液の出ていない木の幹でもよいか、それとも下草や落ち葉の陰とかのほうが・・・
でもアリンコがたくさん居るし・・・
などと時間ばかり掛けながら、やっとのことで家に帰ると、玄関に小さくてクロいのが・・・
こちらに気付き、「カッっ」 と大あごを持ち上げて・・・