シルバーの壁。

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気に入って使用するペンの本数など、たかが知れたものです。
その中でも近ごろ使い心地が良いように思われてならないものがあります。
モンテグラッパ社製のシルバー軸の万年筆です。

購入はかなり昔のことですが、もちろんそのシリンダーフォルムの美しいデザインに
ひかれてのことでした。(私の場合、入口は多くの場合デザインです)
本体の重量がありますので、ペン先は細字ではなく、中字にしておけば良かったかと、
今でも時おり考えたり致します。

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スターリングシルバー(銀無垢)のペンを使用することに、私には目に見えない大きな障壁がありました。
何と言っても美しい鏡面に光るボディー。
触れれば手跡も残りますし、コーティングの無い銀無垢では、すぐに空気中の硫化水素により表面が酸化してしまいます。
落下はいやですし、紛失などもってのほか・・・

こんなことを考えていると、使うことが出来ないのですが、ある時からそのような強迫観念が薄れ、すぅーっと気楽に使うことが出来るようになりました。
そんな、隅々まで輝いていなくても良いじゃない?

年齢的なものもあるのでしょうね。
コレクションと位置付けている訳では無い以上、使ってなんぼの道具です。
そうして使ってみないと、道具としての良さなど、分かろうはずもありません。


最後に、シルバーの筆記具は売る方も大変です。
売る・・というよりも、保管が大変です。
完全フレッシュな状態を維持するのは難しく、手に取って見ていただいたあとには速やかに磨き上げなければいけません。
高級なものが多く、そうそう高回転で売れるようなものばかりでは無い、まさに趣味の世界。

好きじゃないと出来ませんね。