結局、プレイヤーは妻の実家で、これまた30年間の深い眠りについていたものを引き取り、偶然にも同メーカーの類似製品であったことを幸いに、2台から良いところを共用して何とか使用できる環境となりました。
さらに都合の良いことに、新たな1台は、ほぼ同年代のモノながら、オートスタート・エンドの機能が付いており、その度ごとにレコードのスタート位置に針を合わせる作業と、演奏が終わったことに気付かずに、永遠に
『プツッ・・・プツッ・・・プツッ・・・プツッ・・・プツッ・・・』
となることが無く、これから数をこなさなければならない私には大変ありがたいことでした。
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最後に、『音』 について。
久しぶりに耳にしたレコードの音・・・、これは、忘れていたものを大いに呼び起こしてくれるものでした。
聴いているのは輪を掛けて古い時代のレコードばかりですので、『音が綺麗・・・』 という感慨は全くありませんが、とにかく深い。
臨場感というものを明確に感じ取ることができる、そんな感覚でした。
私のいい加減な "感覚" の話ですので、単なる懐古主義と笑われそうな気も致しますが、
如何でしょうか。
もう一つ、おそらくこのアナログ再生において、優秀なオーディオ機器と、そうでないものの差が顕著に出るのではないか、ということです。
この 『音』 はアナログ故にスピーカー等の性能・能力に大きく左右されるものと思います。
音量を上げて聴いてみたい衝動を抑えることができません。
ひと頃のオーディオブームの原動力は、まさにこの事に起因するのだと思います。
比して現代のデジタルでは、ある一定のクオリティーがあり、それ以上のものを
追求する心理があまり働くことがありません。(そうではない感覚の鋭い人も、もちろんいます。)
この30年間を、ただ一つレコードプレイヤーの件でひとくくりにするような乱暴は
できようはずもありませんが、一体、技術の進歩とは何なのでしょうか?
現代に求められているものは、誰でも簡単に手に入れられる便利さとクオリティー、
それに満足してしまうことで、肝心な 『探究心・向上心』 とか 『工夫』、『何故?』 とか・・・
失っているものの大きさに唖然とする思いです。