レコードプレイヤー再考 --その2--

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昔の機械 (といっても30年ほど前のことですが) というのは視覚的に理解可能なシンプルさがありますが、使い続けるためにはメンテナンスが必要です。

入手したプレーヤーは、駆動はベルトドライブになっており、モーターの軸回転力をアルミ鍛造のターンテーブルへ、ゴムのベルトを引っ掛けて伝えるようになっていました。
電源は入るのですが、この最重要パーツとも思える "ベルト" が、いわゆる平たい輪ゴムで機械本体とは恐ろしく不似合いな "ちゃちい" ものに映りました。
見ればゴムが経年の劣化で切れているために、ターンテーブルが回らないことが一目瞭然。

不具合の理由は判りましたが、とにかく、まずはこの "ベルト" の交換です。
でも、まだパーツの供給はあるのでしょうか?

答えは意外と簡単に、ネットオークションで得ることができました。
比較的お手頃と思える金額で (たかが輪ゴム1本ですから) 即入手、本当にありがたい時代です。

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ベルトを換装して、今度は実際に再生する作業です。
まず、このプレイヤーを使用するためには 【PHONO】 端子の付いたプリメインアンプが必要で、どんなアンプでも使えるという訳ではありません。
現代のAV機器にはアナログ・レコードプレイヤーなどは想定されていないので、
この端子が付いていないのが常識です。

中学生の頃、思えばオーディオのちょっとした全盛期で、私も 『FMレコパル』 などの雑誌を入念に読み込んでいた世代であり、アンプも当時のものを引きずり出して、新たにムチと電源を入れてコキ使うことになりました。

彼もこの歳になってまた現役復帰など、思いも寄らぬことであったと思いますが、
見事に期待に応えてくれました。

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プレイヤーはアームのバランスを調整し、使い方を思い出しながら恐るおそる針を盤に落とす・・・
試聴に選んだ1枚は偶然にも私も好きな、ラフマニノフのピアノ協奏曲2番、
緊張の瞬間でした。

 『プツッ・・・ ・・・』

そして、導入部分のピアノが静かに響きます。
音が出た!

 でも何か音程がおかしいような・・・
 でもまぁ、かなり昔の録音だし・・・
 それにしてもこの速さでこの曲やるのか?昔の人はすごいな・・・

などと考えもしましたが、かなりのアップテンポ、そんな訳がありません。

 そうか、回転数が違うのかな?
 いやいやキチンと33回転にセットされてるし・・・


試しにもう一枚かけてみたマリアカラスの声も、よく聴くものとは似ても似つかない声音。

 これはどういう事か? やはり壊れているのだろうか・・・


最後に思いついたのは、周波数の問題でした。
このプレイヤーは横浜で使用していたもので、今はここ、熊本で使おうとしていますが、
関東と関西では仕様が異なるのを思い出しました。
それがレコードの回転数に影響するのかな?