珍入者。

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その日の昼下がり、いつものようにオフィスで仕事をしていると、ドアの外で名にやら物音が。
今年は例年よりも遅いという、梅雨入も間近な気持ち良く晴れた、6月初めのことです。

私のオフィスは倉庫建物の部分2階にあり、鉄骨の階段を上がってすぐのところに部屋へ入るドアがありますが、そこには巾1.4mくらい、いわゆる”出窓”のように奥行き30センチほどの窓台付きの腰窓があります。

この窓台が何と申しましょうか、なかなか問題で、薄暗い倉庫に迷い込んだ蛾などの昆虫が、2階のその窓に希望の光を見出すのか、あるときは脱出口を求めて、またある時は月明かりに吸い寄せられてか、その窓辺へたどり着くようです。
私が気付けば、蝶であろうがハチであろうが、窓を開けて出してあげるのですが、不在時や週末の休日などはそうもいかず、必然的にそこに生物の亡骸が集まってしまうという、恐ろしいスポットでもあります。


物音の主は一羽の茶色い羽毛を持つ小鳥でした。案の定、その窓から空へ飛び立とうと、ガラスに当たってはバタバタと窓台にずり落ちて・・・。

「わかったわかった、今出してやるから」

トリを捕まえるのも結構大変というか、もちろんできる限りの抵抗を試みますし、意外と難しいのですが、そのトリはもう、そこからガラスを通して目の前にある外の世界のことしか考えておらず、後ろへ引き返すことなどミジンも思わぬために、すぐに手で押さえ込むことに成功しました。
この窓、やはり動物にとってはまさに鬼門、その管理人が私というワケです。


写真はその時御用になった(?)トリさんです。
それにしてもこの子、かなりの寝不足か、はたまた仕事のしすぎか、ご覧の通り目が真っ赤!
まさに燃えるような赤、まっかっか。

こんなところで出会うくらいだから、身近なトリかと思いますが、恥かしながら、
テレビでも図鑑でも、今まで見たことの無いトリでした。
そのうち調べてみようと思いますが、何て名前のトリさんでしょうか?

記念写真だけいただいて、窓を開けて放してあげると、例によって礼も言わず、
一直線に大空へ飛び立って行きました。
後にはとても軽く、比較的密度のない綺麗な茶色い羽が三枚ほど落ちていました。

 

・・後日談

調べてもなかなか行き当らなかったのですが、この鳥は 「ヒクイナ」 という名前の様でした。