水辺の風景 2022年10月30日 定点観測の贈り物

近くでエサを採るシギ

 

爽やかな空気、透き通った光。 何やと理由をつけて通い慣れた海辺のエリアへと足を運びます。 今や、そこココに カモ たちの姿が見られるようになり、小鳥たちも忙しそうに飛び回る季節。 ただ、カモたちは 「群」 というにはまだ貧弱で、また冬毛が生えそろわない半端な羽衣だったりして、フォトジェニックの絶頂となるにはもうしばらくの月日が必要なようです。 エクリプスを眺めるのも悪くはないのですが。 

それにしても シギ には困らせられます、リファレンスが本当に難しい。 今日出会ったのは クサシギ かくらいに思ってましたが、ハンドブックを見ていて候補は2種か。 オバシギ か、キリアイ か・・・ 

 

さてこの日も冬の小鳥たちが入れ替わり立ち代わり姿を見せます。 またしても懲りることなく青空電線写真ばかり。

 

 

浅く水を張った水耕地に一羽、水鳥のシルエット。 カルガモかな・・・ と思うのですが、どうも立ち姿が違いましたので、ゆっくりと車を近づけて確認します。

”あるある” なのかもしれませんが、カルガモは自分の願望に合わせていろいろなトリに見えてしまいます。 「あのちょっと白いのは何だろう? あ、カルガモだわ」「あの黒いのは何?初めて見る様だけど・・ カルガモ・・・だね」

カルガモは見ていて飽きず、愛嬌たっぷりで大好きですが、見る者の心に応じて姿を変えてしまう不思議なやつです。 遠目の逆光ですし、今度もカルかな・・・ と。

 

少し近づくとすぐに一羽の 雁 が水を飲んでいるところと判り、緊張が走りました。 当地でも稀には観察される種族ですが、私たちは今まで一度も遭遇したことがありません。 それこそ、今季の目標にも掲げていた鳥ですし、いずれ雁の群を感じる経験をしてみたい。 

 

この種族がどれくらい神経質なのかまったく経験も無いだけに、写真にも収めずに飛び立たれてしまっては、それこそ痛恨。

遠いながら、少しずづ距離を詰めていきました。 

 

 

カモよりも明らかにボリューム感のある姿、太く長い首。 桃色のクチバシに黄色く見えるアイリング、そして美しい羽根のグラデーション。 初めて目にする野生の GOOSE です。 

 

 

飛び立つことはありませんでしたが明らかに私たちを意識して、少しずつ離れていきます。 できるだけ刺激しないように、すこしでも写真に収められるように・・・

 

 

見られたのは単騎、旅の疲れを癒しているところを邪魔したくはありませんので、今日はこの辺で切り上げて・・・ って、この鳥。

 

この雁、どうやら カリガネ と診ていますが、当地での観察記録は見当たりませんでした。 旅鳥 というよりも 迷鳥か、おそらく明日あらためて訪れても同じ場所に留まっている確率は低いとも思え、もう二度と出会うことも無いかもしれません。

足しげく通っていると、驚きの出会いがあるものです。


■撮影地

ジョウビタキ・モズ・アトリ・カリガネ熊本市

 

★追記

当地での観察記録が見つからず・・・ としましたが、10年くらい前に市内へ飛来した際の記事を多く見つけました。