水辺の風景 2024年9月28日 変わりゆく風景

 

家からすぐに行ける河岸、振り返ればこの夏は猛暑や渇水のために足を運ぶ機会がぐっと少なくなっていました。 早朝から猛暑で外をふらつく気にならない、それに、訪れても渇水のために堰に越水が見られず、そこで魚を捕るサギたちが集まっていないのが理由でした。 

その堰を撤去・新設とする大型事業が 10月1日 より着工と聞いて驚き、いたたまれずに最後の土曜日、一念早起きして出社前の時間に訪れました。 

 

 

大きな事業ですので工期は10年くらいとか。 好くも悪くも環境が変わることでしょうし、期間中は大型重機が稼働すればこれまでのように鳥が集うことも無いでしょう。 大水の時以外は鳥たちがくつろぐ場所となっていた砂の中州も消えるかもしれません。 

完成後にはまた違う景色を楽しめるのかもしれませんが、それを私が見られるという保証もなし。 

つらい時、やりきれない思いに支配された時、幾度も川を訪れました。 横浜でも川、ここでも川。 そこに堰があり、鳥たちがいて・・・ 今の自分がいます。

 


夏の主役 ゴイサギササゴイ はもう姿を消したか・・・、この日は出会うことがありませんでした。 今さら目に焼き付けるでもない、川の風景。   

 

水辺の風景 2024年9月29日 鳥と爆竹

 

まだまだ日中は軽く30℃を越える日が続いていますが、鳥たちの季節が私たちにもソレとわかるくらい、着実に変わっていきます。

頻繁に訪れるこの港エリアは楽しみと、驚き。 いつものヤツらと、珍客。 目が離せない季節になりました。 

 

 

一度出会ってしまうと、つい 「まだ居るかな・・・」 と足が向きます。 早速クリークを覗いてみました。 居た、増えてる。 常連の カルガモ の群に混じり、この日は前回確認の しまあじ が2羽に増え、更に珍客の おしどり も2羽。 いずれも エクリプス か メス で、この時期の羽衣はとても地味なのですが、嬉しい出会いに変わりはありません。

できるだけ藪に隠れるように車を停め、エンジンを切ります。

 

 

カルガモ の群は非常に憶病、いつ散ってしまうか分からない・・・と、まずは証拠写真をおざなりに撮影。 しまあじ のペアはいっしょに水面を回遊していましたが、おしどり のペアは休息中、時おり目を開けてあたりを見回す程度、まったく動いてはくれません。 長期戦を覚悟して少しでも、例えば羽繕いでもノビでも、生き生きとしたシーンを撮影しようと思いました。 

しばらく眺めていると、しまあじ が他の鳥たちも休む木陰の陸に上がります。 そして一羽が水浴びを始めました。 やっと パタパタ くらいは撮れそうな感じになってきました。

その時でした。

パンッ パパンッ パンッ パラパラパラパラ パララ

火薬の炸裂音、鳥たちは一気に飛び立ちます。 意表を突かれたのは私たちも同じ、何事? まさか散弾銃?

 

 

信じられないコトをする奴が居る。 弾が撃ち込まれたということでは無いようで、もちろん傷付いたり死んだりして残ったトリはいませんでした。 音や状況から、恐らく直上・堤防の上から爆竹か何かが仕掛けられたものと考えています。 私たちのいるところからはちょうど生い茂る岸辺の樹木が遮蔽して見えない場所。 逆に言えば上が遮蔽されているためにトリたちが落ち着いて休める場所にもなっています。 

自分が昼寝してるところで爆竹やられたら、どんなだ? 

その様な行為は非常に腹立たしく思いますが、何のため? 畑を荒らしているわけでも無し、クリークで休んでいるだけ。 ただのいたずらにしては度が過ぎているし、いやらしい行為だと感じます。 子どもの悪戯とかならまだ救いもありますが、世界を面白く思っていない輩もたくさん居ることでしょうし、こんなところで何? もしかして標的は鳥ではなく、私たちのような人間だったでしょうか。

 

先ほどまでとは文字通り打って変わり、辺りには鳥たちの気配もありません。 こんな目に遭って、彼らはもう二度とこの場所に来ないかもしれません。 本当に残念です。 いやな気持でその場所を離れました、こんな時は海です。 まだ午前も10時をまわった頃。 堤防の切れ目から恐る恐る(群が居たら驚かせてしまう)潮目の好さそうな海を見渡します。

 


残念ながら近くにシギの大きな群は見られませんでしたが、少し遠いながら確かな存在感を放ち、単騎、現れた干潟を悠然と行く白い羽衣が目に入ります。 来たか、クロツラヘラサギ。 

 

 

 

メジャーリーグでもありませんが、この日はダブルヘッダー。 珍客や爆竹は朝方からの出来事、気を取り直して夕景でも眺めようか、と出直して臨みました。

いつもの順路に沿って、まずは先日訪れた時に卵を産んでいた カイツブリ。 相変わらず浮巣に臥せっていましたので、どうやら抱卵中。 お邪魔ですので車から写真を撮ってすぐに切り上げます。 

 

 

堤防の道を進むと、今度はイソヒヨドリ。 この場所ではかなりの確率で出会います。 複雑な模様と発色は若いオス、驚きのディテール。 車から降りてしまうと難しいですが、けっこうフレンドリーに撮影させてくれるトリ。 

 

虹色の海、何故?

盛んに鳴き続けていた イソシギ

 

相方が 「車を止めて・・・」 というので従いましたが、普段からほとんど撮影などしない場所。 何か居るの?

右前方に小鳥の飛影を見たとの事で、ゆっくりと車を少し前に進めて探してみると・・・ 居た、ヒタキ だ。 エゾビタキ かな?

 

道に出てきた エゾビタキ

やっぱり ヒタキ はいい。 時に地面に舞い降りてはまた戻り、ポーズを変えながら気持ちよく撮らせてくれる、この感じ。 こちらを見つめる好奇心旺盛な瞳。 そう、私たちは敵では無いよ・・・ でも人間はあまり信用しない方がいい。

いちいちひねくれた感情が頭をもたげますが、そんな事より何より ヒタキ。 今回のエゾビタキは旅の途中、この場所に留まるとは思いませんが、彼らがやって来る季節になりました。 それが何より嬉しい。

 

α6700 400mm / f5.6

X-H2S 600mm / f8

 

次第に夕暮れが近づきます。 帰路に就く前に耕作地の様子を見にいきます。 一角にサギが多く集まっている場所がありました。 この雰囲気だと、彼らはこの辺りで夜を迎える様です。 いわゆる 塒 の風景。

 

 

大きな群は見られませんでしたが、一区画だけ数種が集まっている場所に当たります。 セイタカシギが一羽、アオアシシギとコアオ、それからエリマキシギの若夏鳥でしょうか、それともう一種・・・アカアシシギ か。 しかしまあ、皆似たような羽衣でリファレンスには苦労します。 「脚の色」っていわれても、それはなかなか見れません。

 

エリマキシギ と コアオアシシギ

アカアシシギ ?

アオアシシギタカブシギ と コアオアシシギ

 

この場所を訪れては鳥たちと戯れ、季節の移り変わりと共に写真を撮影して楽しんでいます。 しかし残念ながら、実際に目にすることは楽しいことばかりではありません。 彼ら鳥たちを見ていれば負傷したものがけっこう居る事を知りますし、亡骸もいやでも見かけることになります。  

自然・野生の厳しさを実感するものですが、ヒトとの関りにおいても同じことが言えます。 一例を挙げれば、水を張ったレンコン畑は多くあり、ここでは中空にネットを張る畑が比較的少ないため目にすることもありませんが、他所ではネットに絡まって死んでいるコガモなどを目にすることがあります。 また カモ たちが大挙飛来すると、それを撃つものが現れます。 この場所は残念ながら候補地としては上がってもラムサール条約に批准出来たり、鳥獣保護や禁猟区にはなっていません。 

冬場は海から発砲音が聞こえたり、実際に現場を目の当たりにしたり。 害鳥として 駆除 との話も聞きますし、その度に悲しい気持ちになります。 ここは 「楽園」 でも何でもなく、人の暮らしがあって農業漁業も営まれる人間社会の辺境であることは理解していますが、自分が愛するこの場所で銃など見たくもない、銃声も聞きたくない・・・ と思う気持ちに変わりはありません。  

港の開発計画も聞いています。 その是非に言及するものではありませんが、有事には軍港としても使えるように整備を進める、とか。 

変わらないものなんて、無い。 そんな事はわかっているのですが。 時に、やりきれない気持ちになります。 

 

水辺の風景 2024年9月23日 不発の浜辺、帰路のカササギ

チュウシャクシギ がポツリと一羽・・・

このシーズンなら シギの群! と期待をして足を向けた八代方面がまさかの不発。 彼の広大な干拓地にトリの気配無く、見渡す海辺も同じ。 堤防際でカモメ一羽、トビ と モビング・カラス を眺めるに留まりました。

また先般の豪雨でどこも水は濁り、せっかく秋らしい陽気となりましたが絵に清々しさがありません。 

 

セグロカモメ かな・・・

ウミネコとは違う、カモメでもない・・・ 白色の羽衣がキレイで密な完成された感じ。 クチバシ先のカラードットや脚色・羽先の黒紋などでリファレンスして セグロカモメ かな?ということになりました。 ホイグリンカモメ って線もあります。 とすると、冬鳥飛来の先鋒となるかもしれません。 シギ もそうですが、カモメ類のリファレンスも難しい・・・。

 

カワウ が電柱トップに・・・ヒレアシなのに

モビング中

干拓地の風景でした。 じきに稲田も収穫となりますのでカーニバルはそれから、でしょうか。 

 

 

それならと早めに切り上げて、次へ。 潮目には少し遅れ加減でしたが、あそこならば会えるだろう、と向かったのは荒尾の浜。 ところが、ここがまた何故か殺風景。 東与賀に大集結でもしてるのかしら?

そんな私たちをからかうかのように、アオバトの群が上空を旋回しては林の中へ消えていきます、浜にはなかなか降りてくれません。 

エンジンを止めた車の窓を全開にし、ハッチも開いたまま、貝殻片の多い浜が奏でる潮騒を聞きながら少しのんびりと過ごします。 先週までの猛暑日ではこうはいきませんでした、やっと秋らしい爽やかな陽気です。 

次第に浜が広がってきて、シギ・チドリにはちょうどよかろうと思うのですが、海上を流れ飛んで行く群も見られず、これはホントにダメな日なんだなと実感します。 

そんな中、保護色でまったく分からなかったのですが、浜で休んでいたと思われるチドリの群、そして チュウシャクシギ も一羽だけ、カラスに追い立てられてか出動となりました。 動いて初めてわかる、動くまで分からない。 

チドリはさっさと他所へ飛んで行きましたが、シギはそのまま干潟で餌を採り始めました。 少し寂しい、この日を象徴するような風景は表題写真としています。 

 

一度だけ浜へ、しかしすぐに撤収。

松林へ入ってしまい・・・

そして、出てこない・・・

潮は好い感じなのに・・・ サギは居ます。

今までどこに居た?

始動。

サヨナラ・・・

 

まあ、こんな日もあるさ。 敗北感に打ちのめされながら帰路につきます。 

道中そういえば、留鳥のくせにこのところ カササギ を見かけないね・・・などと話をしていると、それが聞こえたかのようにどこかで独特な カササギ の声が。 やっぱり居るんだ。 

「水辺の風景」でもありませんが、ドラッグストアーの駐車場から、久しぶりに 戯れる カササギ たちを観察撮影。 電柱-屋根-畑・空地-別の電柱 という具合にあちらこちらへ飛び移りますが、この時見かけたのは5羽。 家族で行動を共にしていることと思いますが、若鳥が多いのか、顔部などよく見ると皆けっこうボロ。 これから奇麗になるでしょう。

 

 

もっとイキイキと、そしてキレイに撮れるはずだったのですが、結果がもう一つ。 カササギ は尾羽のグリーンが写せればいいなと思っていたのですが、撮影しやすいロケーションであったにも関わらず、もう一つもの足りない写真に。 今後の課題にとっておきます。

初めて出会うまで「カササギ」という名前は聞いたことがあっても全く馴染みなく、それこそ 「サギ」 なんだと思っていました。 東京育ちなので オナガ は見知って育ちましたが、まさか カササギオナガ の親戚的なカラス族とは。 

あの頃は何でも カモ・カラス・カモメ・・・ と総称ひとくくりでした。 カササギ はとてもローカルな存在ですので、それこそこの辺りでは珍しくもない鳥ですが、いったいどれほどの人が 「カササギ」 がこんな鳥と知っているのでしょう。 

 

■ 撮影地:干拓地/八代 ・ 海岸/荒尾 ・ カササギ玉名市 

 

水辺の風景 2024年9月22日 天候回復の港エリアで

ホシゴイ の眼

昨夜半から荒れた天候、かなりの雨と、なり続ける雷鳴。 雷の轟音、というのではないのですが、ずっとどこかでゴロゴロと鳴っている感じでした。

残った雨もやがて止み、曇天ながら回復といえるほどの状況に。 買い物ついで、くらいに近場の港エリアを覗きに行きました。

 

 

この場所にはいつも ホシゴイ が数羽陣取っています。 それはわかっていたのですが、久しぶりにきちんと観察してずいぶんと羽衣が変化していることに気付きました。 幼鳥から段階的に ゴイサギ成鳥 の羽衣に変わっていき、その後に吹流しのような冠羽が生えてきます。 兄弟かまではわかりませんが、4羽ほど居たホシゴイ、みな少しずつ成長している様子です。

 

さてこの日。 堤防の外を眺めていて、次第に干潟となりつつ海に小さな群ですがカモのシルエットに気付きます。 直感的に オナガガモ と気付きました。 ただ羽衣は十分に冬羽になっておらず、あいまいな感じ。 9月ですから、早く到着してしまった先ぽう体といったところか。 また今年もあの賑やかな季節がやってくる事を予感させる出会いでした。

 

 

 


シギはあまり見られませんでしたが、少しだけ集まっていた場所がありました。 アオアシ、コアオアシシギ の他、よくこの場所でも見かける エリマキシギ 幼鳥か。 

アマサギ はだんだんと羽衣が白くなって、色は頭に少し残る程度。

 

卵は隠しました。

水路のカイツブリ、浮巣には大きな卵が2個。 残暑がきついとは言っても季節は9月も終わる頃。 今ごろ子育て?

 

■撮影地:熊本市

 

水辺の風景 2024年9月16日 ふたたび航路へ、オオミズナギドリを探して

この夏、最後のつもりで船に乗ります。 島原や天草を訪れるために乗るのではなく、フェリーに乗ること自体が目的。 前回は 島原行き の朝イチ便に乗船し、特に往路では初めて オオミズナギドリ の群を見ることができました。

今回は未明の時間帯から陸路で天草を目指し、鬼池口之津 の朝イチ便に乗船する計画。 オオミズナギドリ の目撃ということでは、こちらの航路の方に例が多いように感じますので、どうせなら朝イチ便を試してみたい、ついでに帰路、島原-熊本港に乗船して今季を締め括ろうというワケです。 

 

鬼池港 ~ 口之津港

鬼池港 風景1

 

鬼池港 風景2

鬼池港 風景3

鬼池港 風景4

鬼池港 風景5

朝イチ便は早朝・6時30分の出港、3時半起床で臨みます。 この航路はよく乗船している島原航路と比べると乗船時間が短く、あっという間についてしまいます。 見ているとこの日、当船に乗った車はわずか5台ほどでした。 出港を待つ僅かな時間、あたりはまだ十分に明るくなりきらず、どれくらいのシャッタースピードが切れるかが心配なほどでした。

それでも実際に船が出るころは、特に海上は明るさを増し、手始めに 1/500 くらいの設定でファーストショットに挑みます。 目的は野鳥撮影でしたが、対岸の連なる山々や光の遊ぶ雲間、穏やかで表情豊かな水面など、意外とゆっくり眺めたことの無い明け方の繊細な景色に心が奪われます。 

 

堤防の上には クロサギ の姿

エンジンが始動し、船内放送が流れます。 小さめの船ですの本船にはそもそも無いかもしれませんが、近ごろは船の屋上甲板に出れるケースは無く、左舷か右舷または後部のデッキで待機する事になります。 右舷と左舷では光条件も景色もまったく異なり、右往左往する事になりかねません。 できることなら前方を遠く見渡してイチ早く群を視認したいのですが、こればかりは致し方なし。 広くもないデッキ・スペース、ディーゼルの排気臭が少し気になりましたが、すぐに忘れて哨戒にあたります。

家の玄関を出る時に感じた、この時期としては異常な蒸し暑さ。 夜も明けぬこの時間からコレだ・・・、今日も厳しい一日となることを予感していました。 フェリーの甲板もそれなりに蒸し暑くはありましたが、港を出ればそれも忘れ、淡いグラデーションの織りなす対岸の景色を背景にキラキラと美しい表情を見せる海原に、ひたすら飛影を探します。 何せ、今季の締め括りですから。

 

海面を滑空する オオミズナギドリ

港を出て、遠目ですのでもちろん ウミネコ なども混じったとは思いますが、ミズナギドリ が 「まあ、居るには居る」 ということに気付きます。 しかし・・・遠いなぁ。 それでも時おり目視できる黒点に照準を合わせ、シャッターを切ります。 奇麗な写真は撮れずとも ”居る” の確認は少なくとも立派な前進、次につながります。 

 

口之津 港風景

口之津 入港風景


島原港熊本港


口之津のフェリーターミナルを後に一路、島原港を目指します。 次は先日、朝イチ往復を試した馴染の航路、この日の乗船は出航・午前8時35分。 晴天の朝、海は明るく前便とはずいぶん様子が違います。 改めてデッキを拠点にしてカメラのセッティング、この明るさであれば SS=1/2000 以上をキープできそうでした。  さあ、会うことができるでしょうか。

見つけた小さな群

テイクオフ

”今回はたまたま” ということなのでしょうが、結果的にはこちらの航路の方が多くの オオミズナギドリ を見ることができました。 かといって、近距離の撮影機会はあまり得られず、またしても殆どの撮影は後ろ向きの飛び去ってゆく姿。 

 

トリミングしてますが、最も近づけた機会

よく見間違える灰褐色系の ウミネコ


まあ、こんなものか。 前回よりも進歩があったとは思いますが、どうにも精細な絵が撮れないのは距離のせいだけ? 

到着地の 熊本港 が近付いてきました。 まだオオミズナギドリの姿も見かけますが、辺りには カツオドリ の姿が増えてきました。

 


何度かの試行で少しわかってきたような気がします。 オオミズナギドリ の見つけ方・・・というか海上での行動パターン。 海面上の ”風” がどのようかはわかりませんが、羽ばたいてある程度の速度をつけ、一度に長い距離に渡って水面すれすれを滑空します。 まるで目が悪いヒトが本を間近に寄せて読むように、海面付近の魚を目で探しているのでしょう。 
その様子を 「数打てば当たる」 でもいい・・・ と気合を入れて連写をしたわけですが、それこそ今回は秒40コマの電子シャッターとか使って。 後に残ったのは相当数の顔無し水面上滑空写真、しかも遠くて。 過ぎたるは及ばざるがごとし、意味の無い戦術でした。

海鳥たちを眺めていると滑空時間は ミズナギドリ ほどでは無いにせよ、ウミネコ や カツオドリ も同じような飛び方をしています。 撮影していて ウミネコ や カツオドリ が獲物を捕らえる瞬間を幾度か捉えましたが、オオミズナギドリ が魚を捉えるところを見ていません。 不器用というか、下手くそなのかも。 

 

短い船旅も終わりかと思う頃、見渡す海上に、これまた遠くではありますが オオミズナギドリ の群。 この海域にけっこう来ている、ということがよく解ります。 

 

入港間近の海域、よく見るとけっこうな数が居ます。

いくらなんでももう少し涼しくなってくれないかな。 生態が分からず、今後は出会える確率が下がっていくのかもしれませんが、もう一回くらい、トライしてみたい気分です。

 

■ 撮影地:天草 ~ 島原 ~ 熊本

※機材更新・α6700 / 100-400㎜

日々のスナップ 2024年9月15日 ムクドリの群

 

例年この頃、ムクドリの塒入りを見に行き、撮影しています。 何かもっと、好い撮影術は無いものか・・・などと思いながら、気付けば一年が過ぎ、同じような絵を撮るばかり。  

 

塒入りは午後6時前くらいから。 徐々に集まり出すところから始まりますが、もう夕暮れ前の薄暗い時間の中。 群は塒にスピードにのって飛び込んでいきますので、目視ではなかなか分からないのですが、写真で見ると コムクドリ がかなり混じっていることがわかります。 コムクの大きな群も見られました。

 

鉄塔に集合するのは スズメ

ムクドリ

コムク の群

 

以前、このロケーションの中、鉄塔の上部にとまる ハヤブサ を見かけたことがあります。 群の塒入りは鳥たちにとって危険な時間でもあります。 塒はケヤキの街路樹ですが、彼らが選ぶのはコンビニエンスストアーの前、明るい場所を選ぶ習性があるようです。 夜の闇が怖いのでしょうね。 

 

■撮影地:熊本市

 

やはり コムク だらけ。

■追加・2024年9月21日 撮影分

 

水辺の風景 2024年9月15日 ホウロクシギの群と

 

どうせなら早朝から、と港エリアへ向かいます。 

先日出会った オグロシギ にすぐに出会いました、が・・・ 一羽だけ。

 

堤防の内側、遠く対岸の普賢岳を望む

 

どこか近くでシギたちの声がします。 誘われるように移動。 いた、来ている。 大きなシギの、小さな群、ダイシャクシギか・・・、

干潟や海岸でいつも観察していますが、この場所(耕作地)で出会うのは初めて。 群は10羽ほど、思いおもいに食事をしています。 広い干潟での食事中や荒篭で休んでいたりする時にはあまり見られない 「小競り合い」 など見ることができ、とても楽しい時間でした。 

 

 


後でリファレンスしてみると、羽衣などの特徴からは ホウロクシギ のよう。 遠距離から望遠レンズで眺めることの多いシギです。 今回は近い場所で観察となったためにスケール感が狂って チュウシャク? ダイシャク? と感じましたものか。 ホウロクシギはもうひとまわり大きくて、嘴ももう少し長かったように感じておりました。 リファレンスは体躯やクチバシの特徴の他、頭頂部のライン有無や羽裏の紋様、目のまわりの雰囲気など。 


まめに通っていて、今回のような幸運に恵まれることが稀にあります。 ホウロクシギ は シギ類の中でも体が大きく、単騎ではなく10羽の群というのも幸運でした。


この時季は トウネン を多く見かけます。

 

 

留鳥ということもあり、水辺ばかりまわっている私たちが出会うことの多い ミサゴ。 この日はけっこう近くでも逃げずにがんばってくれましたので、少しクローズアップにトリミングして掲載。 

この夏、水鳥は例外ですが、出会うトリの多くが口を開けてあえぐように呼吸している姿。 かくいう自分も同様、暑さに負けて口が開いてます。

 

■撮影地 : 熊本市